厚さ7~8cm、直径2.1mもの巨大コロッケが完成した瞬間
厚沢部町はジャガイモの品種である「メークイーン」の発祥の地とされている。これは、厚沢部町内にあった北海道庁桧山農事試作場で、大正14年に初めてメークインが試作されたことに由来している。
メークイーンは煮崩れしずらいことから、コロッケの材料として適しているとされ、厚沢部町ではこのメークイーンを使ったコロッケを「道の駅グリーンプラザ227」で名物として販売している。
このコロッケをPRしようと毎年「あっさぶふるさと夏祭り」で商工会青年部によって披露されているのが「世界一あっさぶメークイン巨大コロッケ揚げ!」。
その巨大コロッケがどのように作られるのか興味があって初めて観に行ってきた。霧雨が舞う中、最初の準備の段階から2時間近く最前列で、撮影かたがたじっくり観察させていただいた。
10:30、すでに大鍋の下には数台の大きなガスコンロが設置され、10本ほどのプロパンボンベと繋がれて熱せられていた。
上の金網は、コロッケを揚げるときに使う。
材料の量と提供者が掲示されている。馬鈴薯はメークイン250kg、サラダ油15缶、小麦粉25kgほか
10:35、鍋が熱せられたところで、サラダオイルを投入。
その隣のテントでは、生地づくりの準備が進められる。
11:00、前もってこねて作ってある生地のブロックを大きなテーブルの上に出して広げ延ばしていく。
次々付けたして大きくしていく。
11:15、でき上がった生地の上に小麦粉を振りかける。
とき卵を小麦粉がまぶされた生地の上に撒く。
小麦粉ととき卵を手で延ばしながらきれいになじませる。
11:20、最後はパン粉を上からまぶしてA面はでき上がり。
B面はどのようにするのかが、一番の興味だった。
A面の上から金網を被せる。こちらが揚げるときには下になる。
その上から、もう一枚の大きなテーブルを被せて、下のテーブルと金具で固定する。
その後、中にコロッケの生地が挟まれている2枚の固定されたテーブルをクレーンで持ち上げる。
クレーンで持ち上げて、反転させる・・・ここがハイライトで、大きな拍手が湧き上がった。
上になったテーブルが外されると、B面側の生地が現れた。ここからの工程はA面と同じ。
11:50、両方のテントが移動され、でき上がった生地をクレーンで吊るし、鍋の上へ移動。
11:55、鍋の中に入れられた瞬間。油が跳ね上がっているのが分かる。ここでも大きな拍手。
12:00、わずか5分ほどででき上がって鍋から上げられる。斜めにして油を切って、中の温度を測る。
再びテーブルの上に戻され、テントを移動して、切り分けの準備をする。
婦人部のみなさんが切り分け作業に入る。会場にはそれをいただくための長い列ができる。
この大きさで1000人分はできるという。衣はカリカリ、中まで十分熱が通ってホクホクしていた。
我が家の2人分。箸と比べると、その大きさが分かる。1個食べただけで腹一杯になった。味はもちろん最高!
コロッケを食べる妻とメイン会場の様子。
これで16回目だという。最初の内は試行錯誤の連続だったに違いない。長年の経験からの段取りはみごとだった。最初から最後までじっくり観察でき、それをご馳走になって、大満足で会場をあとにした。
翌朝の新聞に掲載された写真。右側最前列でカメラを構える自分と妻が写っていた。