この虎毛山(とらげさん)は、栗駒国定公園の西側にあって、秋田・宮城の県境近くに位置する。周囲の山々に比べると、ひときわ目立つ大きなドーム型をしている。
山名は、山腹の幾条かの小沢が縦縞の模様に見え、これを虎の毛に見立てたことから由来するという。
広い山頂には避難小屋もあり、東側には湿原が緩やかに広がっている。この湿原は、特定の植物群落地として保護されており、栗駒山の美しい姿を映し出す池塘も点在し、まさに雲上の楽園である。
登山道は、高松岳からの縦走路以外には赤倉沢コースだけである。平成30年の大雨被害で通行止めになっているというが、今年には登山会が開かれているし、その後に登っている記録もあるので、登ることにした。昨夕、下見に行ったら、17時時点で車が5台ほどあり、ちょうど下山してきたグループがあった。
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天気予報から、午前勝負と決め、5時にスタートできるように道の駅おがちを出た。車は、以前はもっと奥まで入れたようだが、今回の車止めは、その20分ほどで手前だった。
赤倉沢沿いの4km以上の長い道を進む。大雨被害であちこちに崩れているが、補修もされていて危険なところはなかった。赤倉沢を渡渉して、尾根に取り付く。この尾根が非常に急だった。
〈登り〉5:05車止め~6:15渡渉地点~8:35頂上(3時間30分)、湿原巡り・休憩25分、〈下り〉9:00頂上~10:30渡渉地点~11:40車止め(2時間40分)※所要時間6時間35分。
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車止め地点。ここが現在の登山口。車が1台停まっていたので、先行者がいるのかと思ったが、誰にも会わず、下山してきてもその車はあった。工事は休んでいたが、関係者の車かも知れない。
この山は人気のある山らしいが、昨日まで雨予報だったので、誰も来なかったようだ。
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林道を進んでいくと、大きく崩れた林道の修復工事をしていた。以前は、この奥まで車が入れたようだ。
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完全に道が無くなっているところもあった。ここには?上の方に新しい道が付けられていて、ロープも張られていた。
このあとも何ヵ所か崩れているところはあったが、歩くのには支障はなかった。
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1時間10分で、尾根に取り付く渡渉地点に到着。倒木を利用した橋が架けられていた。
ここから取り付く尾根は、高松岳への縦走路分岐のある稜線までは、標高差600m物凄い急な尾根である。日高の山の急登尾根を彷彿とさせる感じだ。
登るときは、ジグが切られているので、それほど感じなかったが、下山時に改めてその斜度に驚いた。
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1000m付近までは、ヒノキアスナロ(ヒバ)林が続く。強風で折れて立ち枯れしているものも多かった。
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1000m付近の夫婦桧
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1000mを越えると、ブナ林になる。ちなみに、北海道のブナは1000mを越えたところには生えていない。
やがて、1234mの高松岳への縦走路分岐で稜線に乗る。ここから頂上までは緩やかな登りである。
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1234m分岐の先で、ドーム形の虎毛山と対面。
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さらに進むと、左手に、昨日縦走した泥湯三山が見えた。左から山伏岳~高松岳~山伏岳の連なり。
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頂上が近くなると木道が敷かれている。その先に避難小屋が見える
と、そこが頂上だった。
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御影石の頂上標識とともに記念撮影。
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このあと、この奥に広がる高層湿原の木道を進む。トップ画像のような池とう群もあった。
天気が良いと、鳥海山、神室連峰、月山、朝日連峰、蔵王連峰、焼石岳、早池峰山、岩手山などの東北の名だたる名峰が一望できるらしい・・・残念!
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湿原に咲いていた花々
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下山後、秋の宮温泉郷の秋ノ宮山荘へ。着いたら雨が降ってきた。凄いタイミングだ。
温泉に入って、休憩コーナーでブログアップをしようと思ったが、クーラーがあまり効いてなく、汗が止まらない。やむなく車へ移動。
気温が25℃しかなく、窓を開けていると涼しいくらいだった。
ブログを書き上げたあとは、忘れてきた携帯用GPSを、妻に湯沢郵便局留めで送ってもらったが、それを受け取りに行った。ずいぶんとあちこち長旅をしているが、郵便局留めで送ってもらったのは初体験である。結構便利なものである。
そのあと、道の駅おがち・小町の郷に落ち着いて、のんびり過ごしている。今降っている雨が明日まで続くようだ。
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道の駅のレストランで食べた比内鶏白湯ラーメン