『ハシムラ東郷』出演の植野葉子さんが出ているTPT『血の婚礼』、表の港湾夜景が美しい横浜BankART Studio。東横線直通で近い。同劇団が三年前上演したアリ・エデルソン版は二村周作美術に救われていたが、今回の門井均演出版は、空間を生かしたシンプルな朝倉摂美術もさることながら、残響の多さを逆手に取ったPAなし生演奏が、聴きもの。『ユーリンタウン』ヒロイン関谷春子に、ばったり。大学の遠い後輩にあたる彼女の次のミュージカル『パイレート・クィーン』に、私の田舎の遠い後輩も出ているらしい。
本当に本題から横滑りしているかもしれない資料の山に挑んでいるうちに時間が経ってゆく。行き詰まっているなら何か刺激を受けられるようなものを観てはどうかと言われ、そこまで行き詰まっているわけではないはずだと思いつつも、気になっていたハイバイ『て』千秋楽に。初演時に台本は読ませてもらっていたが、その読後の感想と観劇後の感想があまり変わらない。東京芸術劇場のことやらいろいろ雑念を抱きつつ池袋を離れる。