昨年夏に、開催地に行ったけれどもコロナ禍下故の諸事情で公演が延期になってしまった松本で、失意の中で食べた、松本で創業昭和8年という老舗「おきな堂」の「バンカラカレー」のことを思いだして、ホテルチェーンのカレーのことは忘れよう。
昨年夏に、開催地に行ったけれどもコロナ禍下故の諸事情で公演が延期になってしまった松本で、失意の中で食べた、松本で創業昭和8年という老舗「おきな堂」の「バンカラカレー」のことを思いだして、ホテルチェーンのカレーのことは忘れよう。
「劇場都市TOKYO演劇祭」なるものがあって、「アパホテル」が筆頭協賛社ということは知っていた。まあ、ご勝手にどうぞ、であった。
しかしここにきて、その「企画概要」に、とんでもないことが書かれていることが、わかった。
削除したといってもTwitterだけのようで、Webの「企画概要」には残っている。
参加劇団のみなさんは、審査員のみなさんは、この、「反権力」を否定する思想に、賛同したのだろうか。
なんと、新宿区も後援に入っている。
心からがっかりである。
以下、「劇場都市TOKYO演劇祭」の「企画概要」原本
↓
期間 令和4年1月10日~3月31日
場所 サンモールスタジオ/雑遊/シアター風姿花伝
企画概要
東京都は大中小の劇場数数百を誇り、面積比、人口比としても世界有数の演劇都市である。
しかし、演劇自体が日常において浸透をしているかというとそれは残念ながら否であり、その状況を今回コロナウィルスの感染症という災厄に晒される中で演劇界は嫌というほど思い知った。
もちろん、演劇作品は疑似的世界であり、その多くは非日常のエンターティメントを楽しんでもらうことが1つの要素であるが、多くの人生において不必要なものにカテゴライズされてしまうことは演劇界の未来にとって大いなる損失である。
その要素の1つがかつて反権力が演劇や芸術の要であるかのような謂れを受け、今も根強くそのような言動が蔓延ることであるが、演劇が一般社会においてそのような印象を持たれることはその分野の未来的な展望を阻害することに他ならない。
本来であればその権力というものにさえ左右されずに羽ばたけるものが、自身の構築した鎖によって自由と世界の広がりを失い、結果として今の演劇は公共、大衆というものから大きくかけ離れている。
演劇や劇場がその鎖を解き放ち、公共的な繋がりを広げ、街や社会と大いに融合をしていく中で本来の魅力を大いに発揮することが出来るように、多くの方々の人生においてもかけがえのないものに演劇が存在することを目指し、この演劇祭を開催するものとする。
この「バンカラカレー」はチキンカツの載ったチキンカレー。トッピングがついているのに通常のカレーライスよりも150円安い。それはなぜかというと、旧制松本高等学校のバンカラ精神に則り、質実剛健な若者たちにエールを送ったのだという。じっさい、質実剛健な味がする。
そうだ。これこそ、カレーによる、美しい支援の姿なのだ。
松本では、昨年末に、公演が実施できた。ありがたいことである。