「地下鉄(メトロ)に乗って」 浅田次郎 講談社文庫
小沼真次は思い立って出席した25年ぶりの同窓会の帰り、地下鉄の永田町駅のホームのベンチで、のっぺいと渾名された書道の教師と一緒になる。
電車が事故で止まっていて、2人はしばし気詰りな会話を続ける。
そしてのっぺいは真次に、今日が兄昭一の命日だと思い出させる。
真次は3兄弟で、昭一は高校3年の時に地下鉄に飛び込んで自殺していた。
普 . . . 本文を読む
「荒神」 宮部みゆき 朝日新聞出版
五代将軍綱吉の頃。
陸奥永津野藩と香山藩は大平良山を挟んで位置する。
かつて香山藩藩主瓜生家は、永津野藩の土豪に過ぎなかったが、関ヶ原の戦役で東軍に付き立藩が認められた。
公の現状では永津野藩が主藩で香山藩が支藩の間柄だが、永津野の方はそれを苦々しく思っている。
領民を巡るトラブルもあり、お互いに油断のならない存在となっている。
そんなある日、香山藩 . . . 本文を読む
「そして医師も死す」 D・M・ディヴァイン 創元推理文庫
Doctors also Die 山田蘭・訳
診療所の共同経営者・ヘンダーソンが不慮の死を遂げて二ヵ月が経った。
医師のアラン・ターナーはその死が過失によるものではなく、何者かが仕組んだ事故に見せかけた可能性を市長のハケットから指摘される。
もし他殺であるならば、かなり緻密に練られた犯行と思われた。
ヘン . . . 本文を読む
「ナインスゲート」 アルトゥーロ・ペレス・レベルテ 集英社文庫
THE NINTH GETE 大森榮・訳
スペインの稀覯本狩猟家コルソは、ある富豪に中世に出版された奇書『九つの扉』の真贋鑑定を依頼されるが
その矢先、友人が出版社オーナーから購入した『三銃士』第42章の肉筆原稿の調査も頼まれる。
その後、オーナーは自殺し、コルソも何者かに襲われる。
彼はポルトガルのシン . . . 本文を読む
「ロイストン事件」 D・M・ディヴァイン 現代教養文庫
THE ROYSTON AFFAIR 野中千恵子・訳
元弁護士のマーク・ロヴェルは4年ぶりに故郷のリヴァ―ヘッドに帰って来る。
マークは父親パトリックと一緒に弁護士をしていたが、4年前に起こったロイストン対新聞社トリビューンとの事件で意見が対立し弁護士を辞めて家を出ていた。
それは、トリビューン社に . . . 本文を読む
「夜想」 貫井徳郎 文藝春秋
交通事故で妻子を喪った雪籐忠義。
32歳の誕生日を一人で迎えている事に改めて喪失感を強くする。
仕事場でも同情の態度で接する同僚と上手く行かず、ミスも目立っていた。
話す相手はカウンセリングの怜子くらいだった。
そんな時、街中で定期入れを落とし拾ってくれた女性が泣いていた。
驚く雪籐に「シンクロして・・・・あまりにかわいそうなので・・・・」と言って立ち去 . . . 本文を読む
選抜高校野球 敦賀気比初優勝
決勝
敦賀気比 3-1 東海大四
敦賀気比初優勝は、北陸勢としても春夏通して初。
決勝戦らしい、両投手が粘る良い試合だった。
大沢投手は4回にはノーアウト満塁のピンチをしのいだ。
流れは東海大四に来るかと思ったのだが。
8回の表の攻撃で、ノーアウト2・3塁で、スクイズは外され、その後好守備もあり点が入らなかったのが痛かった。
その裏に準決勝に2打席連続ホームラン . . . 本文を読む
第87回選抜高校野球大会 準決勝
敦賀気比 11―0 大阪桐蔭
史上初の2打席連続満塁弾が出て敦賀気比の快勝。
まさかこんな展開になるとは思わなかったが、昨年夏の選手が多く残っているのだから、弱いはずはない。
浦和学院 1-3 東海大四
甲子園で2回勝つという壁を破って勢いが付いている。
この試合も、流れがずっと東海大四に来ていた。
しかし、しっかりとした野球をするので、その流れを呼び込んでい . . . 本文を読む