「狐花 葉不見冥府路行(はもみずにあのよのみちゆき)」 京極夏彦 角川書店 作事奉行上月監物の1人娘の雪乃は墓所で見かけた、身が凍るばかりに美しい男に執着していた。その者は淡い薄色の地に鮮やかな彼岸花が染め付けられていた。お付きの女中、お葉と居る時に2度見るが、2度目の時お葉は指さして叫ぶなり倒れてしまう。それ以来、お葉は憑りつかれたように伏せってしまっていた。雪乃が女中のお松と出掛け3度目 . . . 本文を読む
「われら闇より天を見る」 クリス・ウィタカー 早川書房 WE BEGIN AT THE END 鈴木恵・訳「それが、ここに流れてるあたしたちの血。あたしたちは無法者なの」 アメリカ、カリフォルニア州。海沿いの町ケープ・ヘイヴン。30年前にひとりの少女が命を落とした事件は、いまなお町に暗い影を落としている。自称無法者の少女ダッチェスは、30年前の事件から立ち直れずに . . . 本文を読む
「官僚謀殺シリーズ 知能犯の時空トリック」 紫金陳 行舟文化 阿井幸作・訳計画停電の夜、県検察院のトップが殺害された。唯一の目撃証言が指し示した容疑者は、地域の人々から愛されるベテラン警官・葉援朝。葉には娘を有力政治家の息子に殺されながら、示談に甘んじ隠蔽に協力させられた過去があっり、被害者も事件の関係者だった。数日後、今度は人民法院の裁 . . . 本文を読む
「ミゼレーレ」 ジャン=クリストフ・グランジェ 創元推理文庫 上・下巻 MISERERE 平岡敦・訳採譜が禁じられていた、システィーナ礼拝堂だけのための聖歌『ミゼレーレ』。少年モーツァルトが聴き覚えて楽譜を起こし世に広まった、喩えようもなく美しい聖歌と、パリのアルメニア使徒教会で起きた聖歌隊指揮者の謎に満ちた殺害事件にはいかなる関わりがあるのか? 遺体は両耳の鼓膜 . . . 本文を読む