「鵼の碑」 京極夏彦 講談社 2024年7月27日(土)ホテルに滞在中の関口は散歩中に同じホテルに泊まる久住と出会う。久住は担当のメイドから聞いた話に心を乱されていた。それは、自分は父親を殺したというものだった。 中禅寺秋彦は輪王寺に委託され文書の整理をしている。一緒に仕事をしているのは僧籍の築山公宣と、史学で古文書に詳しい仁礼将雄。その仁礼が宿屋の亭主から、昔光る猿が出たという話を聞いて来 . . . 本文を読む
「レモンと殺人鬼」 くわがきあゆ 宝島社文庫 2024年8月5日(月)十年前、洋食屋を営んでいた父親が通り魔に殺されて以来、母親も失踪、それぞれ別の親戚に引き取られ、不遇をかこつ日々を送っていた小林姉妹。 しかし、妹の妃奈が遺体で発見されたことから、運命の輪は再び回りだす。被害者であるはずの妃奈に、生前保険金殺人を行なっていたのではないかという疑惑がかけられるなか、妹の潔白を信じる . . . 本文を読む
「夜が終わる場所」 クレイグ・ホールデン 扶桑社ミステリー Four Corners of Night 近藤純夫・訳アメリカ中西部の小都市の朝。警官のマックスとバンクがデニーズで変わりばえのしない朝食を待っていた。その時、警察無線が少女の失踪を報じた。夜勤明けの二人は招集に応じる義務はなかったが、バンクはマックスを引っ張るように少女の家に向かい、母親の前で号泣した。マックスには解っ . . . 本文を読む
「最終法廷」 マイケル・マローン ハヤカワ文庫NV 上・下巻 TIME‘S WITNESS 高儀進・訳ノース・カロライナ州の小都市ヒルストンに衝撃が走った。警官を射殺、死刑を宣告された黒人青年ジョージ・ホールの刑執行が、執行前夜、突然、延期されたのだ。人種偏見が色濃く残る州では、この処置をめぐって右翼団体が不穏な動きを開始。市の安全をあずかる警察署長のマンガムは、厳 . . . 本文を読む
「連環宇宙」 ロバート・チャールズ・ウィルスン 創元SF文庫 VORTEX 茂木健・訳謎の超越存在“仮定体”による地球の時間封鎖という危機を乗り越えた人類は、新惑星の開拓がもたらす繁栄を謳歌していた。精神科医サンドラはある日、新たに患者となる少年が書いたという謎めいたノートを渡される。そこに綴られていたのは、1万年後の未来に復活した人々が残した手記だ . . . 本文を読む
「無限記憶」 ロバート・チャールズ・ウィルスン 創元SF文庫 AXIS 茂木健・訳 40年におよぶ地球の時間封鎖が解かれた。謎の超越存在“仮定体”は、封鎖を解除すると同時に、地上に巨大なアーチを出現させた。人間を乗せた船舶しか通り抜けられないそのアーチをくぐった先は、いずことも知れぬ惑星“新世界”。そこは生命体のいない、謎め . . . 本文を読む
「時間封鎖」 ロバート・チャールズ・ウィルスン 創元SF文庫 上・下巻 SPIN 茂木健・訳それが起ったとき、ぼくたち3人はまだ十代はじめだった。その夜、ぼくらは見たのだ―地球から星々が消えるのを。さらに、月も。翌日、太陽だけが昇ってきたが、それは贋者の太陽だった・・・・・・。地球周回軌道上にあったロシアの宇宙船が強引に再突入して帰還した。飛行士は証言 . . . 本文を読む
「ファラオの密室」 白川尚史 宝島社 紀元前1300年代後半、古代エジプト。死んでミイラにされた神官のセティは、心臓に欠けがあるため冥界の審判を受けることができない。 欠けた心臓を取り戻すために地上に舞い戻ったが、期限は3日。セティは、自分が死んだ事件の捜査を進めるなかで、やがてもうひとつの大きな謎に直面する。 棺に収められた先王のミイラが、密室状態であるピラミッドの玄室 . . . 本文を読む
「悪い男」 アーナルデュル・インドリダソン 東京創元社 MYRKA 柳沢由美子・訳レイキャヴィクのアパートで喉を切られて殺害された男の死体が発見される。このアパートに住民で、電気通信会社の技師ルノルフル、30歳。10年ほど前にレイキャヴィクに移り住んでいた。ルノルフルがレイプドラックと言われる、ロヒプノールを持っていた事から、レイプ被害者による復讐が考えられた。部屋のベッドの下か . . . 本文を読む
「友情よここで終われ」 レネ・ノイハウス 創元推理文庫 IN EWIGER FREUNDSCHAFT 酒寄進一・訳ピア・サンダーの元夫で法医学研究所の所長、ヘニング・キルヒホフが取り組んだ事件を基に小説を書き、ベストセラーになる。登場人物が誰か分かる書き方で、ピアはちょっと困っていた。そんなヘニングから、自分のエージェント、マリア・ハウシルトが友人のハイケ・ヴェルシュと連絡が取れな . . . 本文を読む