ジュゴン掲示板

ジュゴン保護キャンペーンセンター(SDCC)は日本では沖縄にのみ生息しているジュゴンを守るために活動をしています。

「書き直し」より「出し直し」

2008年01月24日 | ジュゴンブログ
 1月21日に二度目の沖縄県知事意見が出されました。今回は前回よりは方法書の書き直しを求めるとの覚悟を示していますが、環境影響評価法の要件を満たしているとも言っています。

 これは言葉のアヤで、「書き直し」は方法書の基本線はOKで、表現を改めることを求めているに過ぎません。あの沖縄防衛局が言葉のアヤを見越して、早速書き直しの準備に入っています。今日にでも提出するとのことです。ジュゴン調査の入札告示から、知事意見で求めたジュゴンや海草の複数年調査が入っていないことが明らかになっています。7ヶ月の調査期間といわれています。私たちは方法書の「書き直し」ではなく、方法書の「出し直し」を求めます。

 来週30日に沖縄県防衛局と沖縄県環境政策課との話しあいを持ちます。沖縄県知事に提出した要請分文を下に貼り付けます。

                           2008年1月30日
 沖縄県知事 仲井真 弘多 殿
                     ジュゴン保護キャンペーンセンター
                      共同代表 海勢頭豊

               要請書

 私たちジュゴン保護キャンペーンセンターは国際自然保護連合(IUCN)の加盟団体として、2000年、2004年のIUCN勧告「沖縄のジュゴン保護」の履行を求めて活動をしています。名護市東海岸はジュゴンの餌場、海草藻場があり、新基地建設中止を求める国際世論は高まっています。

 昨年12月18日、沖縄県知事宛の「普天間飛行場代替施設建設事業の環境評価方法書の知事意見書への要望」で、1.方法書と公告縦覧のやり直し、2.環境を破壊する事前調査(現況調査)の中止を求める知事意見を沖縄防衛局に出すことを求めました。しかし、知事意見は方法書の見直しを求める審査会答申を「十分に配慮するように」と紹介するだけで、答申にはない「沖合い飛行場建設」を明記しました。自然環境の保全を求める県審査会の答申をねじ曲げるものです。

 今回の知事意見(埋め立て)では「方法書の対象事業の内容、環境影響評価の項目並びに調査、予測および評価の手法について書き直しをする必要がある」と一歩厳しい表現になりましたが、その一方で「準備書を作成するまでの間に決定される当該事業の具体的な内容を考慮して、…再検討すること」と問題を先送りしています。これでは、環境影響評価法を形骸化する手助けになっています。私たちはジュゴンをはじめ沖縄の自然保護を求める立場から、環境影響評価法の方法書と公告縦覧のやり直しを求めます。そこで、以下の点について質問と要請します。

                  記

1.沖縄防衛局の改定方法書に環境影響が予測できる具体的な計画、例えば、飛行 機の機種、数、飛行計画(騒音問題)、土砂の採取場所、搬入経路(2次被害ふ くめて)や、排水量、水質、排水施設(海への汚染)が具体的に記載されていな いときは2月本調査の中止を求めますか。それができる法的根拠は何ですか。

2.環境影響評価法に基づいて今事業の方法書に意見を出した人々が、沖縄防衛局 の改定方法書に意見を出す場をどのように保障するのですか。

3.飛行場建設事業は条例アセスで、沖縄県の判断が基本です。キャンプシュワブ 兵舎の解体工事は飛行場建設と一体のものですが、沖縄防衛局は別工事だと強弁 し2月工事を考えています。これでは科学的な環境アセスメントはできません。 ぜひ、中止を勧告すべきです。

4.沖縄県の沖合い建設案は、埋め立て面積の拡大や海草藻場やサンゴへの影響、 海流の変化など環境に与える変化をどのように予測しているのですか。
                                 以上

知事意見 (1/21)
   環境影響評価審査会答申 (1/18)