(南綾子作)
<沖縄ジュゴン判決についての声明> 08/1/28
ジュゴン保護キャンペーンセンター
米国サンフランシスコ連邦裁判所は1月24日、米国政府が普天間飛行場代替施設建設でジュゴンへの影響を評価・検討していないことは国家歴史保護法に違反すると、環境影響評価を独自に実施することを求めました。
この判決の意義は1.米国連邦裁判所が代替施設建設は文化財としての沖縄ジュゴンに影響を与えると判断したこと、2.ジュゴンへの影響を回避し低減するための計画を早急に作成するために、国防総省が独自に環境影響評価を行うこと、3.90日以内に、政府機関のみならず原告や関係者団体の意見を聴取することを命じたことです。
2000年、2004年に国際自然保護連合(IUCN)が日米両政府に沖縄ジュゴン保護の勧告を行い、国連環境計画(UNEP)がジュゴン報告書(2002年)を発行するなど、ジュゴン保護のを求める国内外の世論が広がってきました。原告をはじめ地元の闘いと国内外の世論が、今回の沖縄ジュゴン判決を実現しました。
日本政府は「外国の裁判所の判決だ」と居直っています。しかし、米国連邦裁判所は代替施設建設事業で影響を受けるジュゴンを保護する環境アセスメントを、米国防総省だけでなく日本政府にも求めているのです。日本政府は新基地建設を急ぐために環境アセスメントの手抜きをするのではなく、ジュゴンへの影響を回避し低減するために時間をかけて科学的なアセスメントを行うべきです。沖縄県は政府の圧力を受けて方法書の「書き直し」を求めていますが、沖縄自然や海の象徴であり、文化財産でもあるジュゴン保護のために方法書の「やり直し」を求めるべきです。
私たちは2000年、2004年のIUCN勧告にある「沖縄ジュゴン保護区の設置」と「国際水準の環境アセスメント」の履行を日米両政府に求めています。今年10月にはIUCN第4回世界自然保護会議(スペイン)が開催されます。私たちは方法書のやり直しを求めるキャンペーンを通じて、IUCN世界自然保護会議で勧告「代替施設建設事業について日米の共同アセスを」と、「2010年を国際ジュゴン年に」を実現したいと思っています。