ジュゴン掲示板

ジュゴン保護キャンペーンセンター(SDCC)は日本では沖縄にのみ生息しているジュゴンを守るために活動をしています。

IUCN、世界自然保護会議の総会の報告

2016年11月08日 | ジュゴンブログ
9月6日~10日までのハワイで開催された
IUCN、世界自然保護会議の総会の様子を報告します。



IUCNは、161カ国、217の省庁、1,066のNGO、48のパートナー団体、16,151を超える
専門委員からなる世界最大の生物多様性保全に関わるネットワークです。

4年に1度開催される世界自然保護会議は今回で、第6回目。
10,000人を超すNGO、研究者、企業、政府などが参加しました。
総会では、この4年の活動の報告や今後4年間の方向性を議論します。

総会の中では、IUCNの話だけでなく、
国際的な法律でもある環境関連の条約や協定、目標の名前が
いくつも出てきて、IUCNでの話し合いが世界のルールや
世界の政治に影響を与えていることを実感しました。



大人数での会議なので、どう進めるかと思っていたら、
前での話し合いとマイク付の投票マシーン、
ネットを使っての会議でした。

例えば、重点課題である、農業や海洋の話をした時は、
前でパネルディスカッションをした後、
質問や意見がある人はネットで質問や意見を出して、
専門家の人たちが更にそれについて議論を深めていきました。



それから、様々な動議(モーション)の投票も行いました。
動議と言うのは、IUCNの会員が今、世界的に
重要だと思われる課題などについて、提案できるしくみです。

私達SDCCも他の団体と一緒に
「辺野古埋め立て土砂への外来種の混入対策の強化求める動議」
を提出し、事前投票で採択されました。詳しくは↓
http://blog.goo.ne.jp/sdcc/e/d66f42285fff7574b810384238392c19

提案が多くなってきたので、総会での議論に時間的な支障をきたさないため、
今回から、事前の投票がもうけられました。
その中で決まらなかったものや、新たに緊急で提案されたものが
今回の総会では話し合われました。
画面は英語、スペイン語、フランス語で映し出され、
同時通訳でその3つの言葉を聞くこともできます。



通訳者のブース↓



会員は、こんな感じの機械を使って投票します。


マイクがついていて、発言もできます。



投票は、政府機関会員によるカテゴリーAと
NGO会員からなるカテゴリーBでそれぞれ過半数の票がないと可決しません。
政府機関も賛成して通ったというところにも、
IUCNでの採択の重みがあるように思います。

結果もすぐに画面に映し出されます。



日本政府は会議の中でも、象牙や海洋、国家を超えた自然保護など、
自然を守る立場よりは、使う立場を優先している発言が目立ちました。
そして、それがあたかも日本人の総意のように発言していることに
とても違和感を覚えました。

「辺野古埋め立て土砂への外来種の混入対策の強化求める勧告」は
IUCNという世界最大の生物多様性保全に関わるネットワークで
採択されたものです。
これは、一部の人が決めたことではなく、民主的な議論や投票を通して、
政府機関会員とNGO会員の両方の投票を得て、決まった国際的な総意です。

ぜひ、みなさんもこのIUCNの勧告を、ジュゴンを守る世界的な声として、
多くの人に知らせ、実際に「基地ではなく、ジュゴン保護区を」を
実現するエネルギーに使っていただければと思います。

IUCNの自然保護会議で稲嶺市長も参加してのポスター発表をしました

2016年11月08日 | ジュゴンブログ
報告がとっても遅くなってすみません!!
思い返せば、去年の7月頃から準備を初めてきたポスター制作。
200の枠に380もの応募があって、心配していましたが、
さすがみんなで考えたポスターだけあって、無事にパスし、
9月の世界自然保護会議で発表してきました。

タイトルは
「沖縄ジュゴン保護~IUCN決議から地域の保護の実践へ」
“Protecting Okinawa Dugongs: Turning IUCN’s recommendations and resolution into local conservation practices” ということになりました。

今回は、紙のポスターではなく、紙ごみを減らすため、
小さなコンピューター画面での発表。
しかも、30分間の発表は他のいくつか団体とも同時刻で、
参加者は集まるのか、うまく発表できるのかと不安でしたが、
ブースなどでのチラシや声掛け、当日も着ぐるみジュゴンちゃんの
活躍もあり、約30人の参加者がありました。
一番参加者が多い発表だったのではないかなと思います。

参加してくれたのは、環境団体や専門家、日系の方、在米日本人、在日アメリカ人、
メディアの方など多様な方たちでした。
ポスターは技術的トラブルもあり、コンピューターでは見られず、
写真を使っての発表となりました。



6章からなる発表は
1.沖縄ジュゴンと米軍基地
2.反対する地元の人々
3.IUCNの関わり
4.非科学的な環境アセス
5.地元の努力
6.岐路に立つジュゴン
という盛りだくさんの内容でしたが、
メモを取って聞くなど、皆さん熱心に発表を聞いてくれました。

発表後の質疑応答では、名護市長の稲嶺市長が直々に
質問に答えてくださり、具体的な返答にたくさんの質問がなされました。
基地がなくなっての経済的な問題はないのか。
実際に今ある計画を止めるということはできそうなのか。など
専門家の方もいるので、返答の後も意見や
協力できることはしようという声も上がりました。



地元の人の声を国際会議で届けたいという想いで
ポスターを作りましたが、地元の人の想いが伝わるのか、
少し心配していました。
でも、稲嶺市長が後半の質疑応答をしてくださったおかげで
地元の方の想いや理不尽な状況に負けないと長年頑張ってきたことなど、
伝わることは多かったように思います。

参加した人からは、発表を聞けて色々なことが分かったという
感想をいただきました。

参加者には見せられなかったポスターですが、来年の2月ぐらいまで、
ネットで見られるそうです↓
http://iucncongress.ipostersessions.com/?s=B4-17-96-B6-97-03-4A-BA-BD-2F-CE-ED-0E-4F-0A-3E

どうぞ見てみて下さい。

11/12 IUCN報告会(東京)のご案内

2016年11月08日 | ジュゴンブログ
先日ご案内させていただきました、11/12IUCN報告会(東京)ですが、東京新聞首都圏版のカルチャーインフォメーションに掲載されました!


ぜひみなさまの参加を心より呼びかけます!


日 時:11月12日(土)18時開場 18時半開始
場 所:港区立港勤労福祉会館1階第一洋室(JR田町駅徒歩5分)
主 催:ジュゴン保護キャンペーンセンター
参加費:500円
内 容:IUCN大会報告(大会参加者から)
    IUCN決議を踏まえた今後の方針(蜷川事務局長)
    報告:辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会顧問 (湯浅一郎さん)
    質疑応答