散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

ロシアの話

2006-11-28 18:58:52 | 思考錯誤
リトヴィネンコ氏の訃報を聞いた時、ああやっぱりね。。。と多くの人が感じたに違いない。プーチン大統領を非難するには命をかけなければならない。はっきりロシア政府の刺客が出たとは発表しないが(当たり前だよね)、そうでなくて何なんだ? 
リトヴィネンコが交友のあった富豪のベレゾフスキー氏の事務所からポロニウム210検出されたらしいし、他三人ほどポロニウム210に触れた疑いがあり検査されているとか。この話の続きはどうなるのか? 
まるでフレデリック・フォーサイスを読んでいるみたいだね。
ロシアは富める者と貧しき者の落差が激しい。ダイヤモンドや金でギラギラ飾り立てた成金達がベルーガキャビアを極上のシャンペンで喉に流し込んでいる、その裏では道路に転がって半死の人たちもいる。
ロシアの現在の金持ちの金の使い方が尋常でない。
ドイツテレコムにもロシアが手を出そうとしている。
他にも大手企業に介入しようとしている話があるけれど、テレコムへの介入は危ないのではないか? 何しろ政府関連の通信だって簡単に流れてしまうだろうことは想像できる。
グイグイとおしてくるロシア。
知り合いのロシア人作家のVは、どういうものか色々な場所にツテがあるのだけれど、先日あるロシアの金持ち主催パーティーで聞いた話は、かなりやばいものだったとか。『殺った、やられた』の話がどんどん出てきてしまう世界らしい。
マフィアがらみの人たちなのかもしれない。
危ないなあ。
ロシアの命の水(ウオッカ)問題も深刻だそうだ。ロシア人の平均寿命は68歳で、貧困,麻薬もだがアルコール中毒による死亡率が高いらしい。
あの国に住んだら「ウォッカの力」を借りたくなるのかも知れないけれどね。

ロシア
ロシア続き

空模様 11月27日

2006-11-28 09:17:19 | 思考錯誤


仕事場からの帰り道。相変わらず美しい空を眺めながら歩いた。
久しぶりに知り合いの本屋に立ち寄ってみた。
クリスマス前に贈り物の本を探す客で賑わっている。
私はアントニオ・タブッキの”Verkehrtspiel - さかさまゲーム”を見つけて思わず買ってしまった。でもこの本は日本語で読んだ事がある。
本当は別の本を目当てに探していたのに、今日は見つからずにタブッキに摑まってしまった。
クリスマス頃になるとこの店では、日頃の顧客へのプレゼントとして特別版の小さな本の進呈がある。
今年はW.Somerset Maughamの『Books&You』と言う本だ。モームはかなりの読書家だったようで(小説家なんだから当然か? しかしモームの場合はただ仕事上、必要な読書ではなく、彼は文学愛好家だったらしい。)ディケンズ、ブロンテ、ホフマン、メルヴィル、ポー、プルーストなどの作品を巡ってのおしゃべりと言う感じの三時のおやつみたいな本だ。
こういう本は楽しい。こんなプレゼントは気が利いている。
その上、これを読んだ顧客はもっと本が読みたくなったりして、また本が売れるという仕掛けなのかもしれない。
私はこの本を読んでいて何冊か買う気になっているから見事罠にはまっているということだ。



本屋を出て再び空を眺めながら歩くと、薄紅色に染まった雲がふわふわと浮いており、やはり薄紅色に染まった飛行機が雲の中に消えていくのがみえた。
電車の停留場につくと空が騒がしい。
目をこらしてみると大編隊を組んだ渡り鳥が飛んでゆく。 矢印の頭のような陣形がゆるりと形を変えてまるで細い紐がほどけて踊るかの様に動く。
空飛ぶ魔法の紐だ。
渡り鳥が仲間を集めながら目的に向って移動するさまは何時見ても感動する場面である。
(残念ながら写真は暗くて"紐”が殆ど見えない。良く見れば映っているけれどね。見えますか?)