ブクログより
またまた年代物の作品です。
1987年初版となっています。北壁に惹かれ読んでみました。
地元山岳ガイドが、アイガー北壁を登攀中、小さなテラスに座ったままの氷漬けの死体を発見します。
詳しく調べてみると、ドイツ軍山岳歩兵師団のものと分かる。
そして首元には、錆びた金属製のロケットと騎士十字章の勲章がかけられていた。
これらに興味を抱いたBBC局員が、当時の重大な事実を探り出すことで物語が成り立っていく。
原子爆弾の開発をめぐって、ナチス・ドイツ軍とアメリカ軍がアイガー北壁で繰り広げる、手に汗握る死闘。
彼らは先鋭クライマーだとはいえ、すべて軍の命令によって、この死の壁に挑んでいるというのが普通の山岳とは違うところ。
仲間がいても、心が通じ合った信頼できるものばかりではないし、ましてや任務を背負っている。
彼らの心境はいかばかりか・・・
最後に生き残った人たちを訪ね歩いて、残らずなぞ解きをしてくれて、ほっと肩の荷が下りた気がします。
北壁の死闘 / ボブ・ラングレー