できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

今日(10月13日)のプリキュアの話です。

2019-10-13 10:59:43 | プリキュア話

台風被害で今日のプリキュアを見ることができなかった子どもたちもいると思うんですが…。

でも、安全・安心な場所まで逃げることができて、少し落ち着いたら、プリキュアを見て気持ちを和らげてほしい。そんなことを思いながら、今朝のプリキュアのこと、書いておきます。

さて、今日以降の当面の回は、どうも10月19日からの劇場版プリキュア公開を前提とした内容になっているようです。映画のCMに出てきた星空警察のアン警部補(=見た目は犬のおまわりさん。泥棒などを匂いで見つけるそうです)が、今回の放送分に登場していましたし、オープニング・エンディングの動画が劇場版対応になっていましたので。たぶん2~3回くらいは、こんな感じで映画を意識したストーリーが続くかと思います。また、そうすることで、テレビ版と映画版がつながって、子どもたちには違和感なく物語がつながるのでしょうね。

実際に今日放送された内容ですが…。まず、「宇宙マフィアのボスが惑星レインボーのお宝の指輪を入手した」という情報が、ララ(キュアミルキー)の宇宙船のAIからプリキュアたちに知らされます。そこで惑星レインボー出身のユニ(キュアコスモ)がその指輪を取り戻したい、そのためにもう一度「宇宙怪盗ブルーキャット」に戻ると言い始めます。

でも、ひかる(キュアスター)をはじめ、他のプリキュアたちは、惑星レインボーのお宝を取り戻したいという気持ちはわかるが、でも「怪盗にもどってほしくない」「他の方法はないのか?」と。そういう迷いや葛藤があるなかで、5人のプリキュアたちは宇宙マフィアのボスのアジト(巨大宇宙船)に忍び込みます。

一方、警部補になりたてほやほやのアンは、その宇宙マフィアのボスのアジトで潜入捜査中。そこに宇宙怪盗ブルーキャットが現れて、指輪を盗み出したので…。当然「逮捕する」という話になるわけです。ですが、潜入捜査中の警官がいることに気付いた宇宙マフィアは、アンとブルーキャットの両方をつかまえようとします。そこで、アンとブルーキャットのふたり揃って逃げるわけです。

ただ…。結局のところ、アンもブルーキャットも宇宙マフィアにつかまります。「怪盗なのに、どうして警官の自分を助けてくれたのか?」「そんなにやさしい人なのに、なぜ怪盗を続けるのか?」と。捕えられた部屋で、アンはブルーキャットに問います。そんなアンに対して、ブルーキャットは「泥棒をしているというところだけ見るな」みたいな言葉で返します。

そのアンとブルーキャットが捕えられた部屋へ、他のプリキュアたちがかけつけます。「どうして来るの?」というブルーキャット(=ユニで、もちろんキュアコスモでもあります)に対して、「放っておけないから」というプリキュアたち。

そして、みんなで宇宙マフィアのアジトから逃げ出そうとしたときに…。テンジョウたちノットレイダーがやってきます。また、宇宙マフィアのボスの怒りのエネルギーから、今回の敵がつくりだされます。

ただ…。テンジョウと今回の敵の攻撃を前に、キュアコスモの力があまり出ません。「お前、弱くなった」と言われたりもするのですが…。そんなときに他のプリキュアたちがキュアコスモをかばいます。そして「キュアコスモは素直じゃなくて、自分の思いを伝えるのはヘタだけど、本当はやさしい、とってもいい子なんだ」と、他のプリキュアたちはテンジョウたちに伝えます。それを聴いたキュアコスモは、ひとこと小さな声で「ありがとう」と。まあ、ここから先は5人のプリキュア+妖精フワの合体技登場ですね。

ラストのシーンですが、キュアコスモや怪盗ブルーキャットの姿からユニの姿になって、自分が惑星レインボーの出身であること、宇宙マフィアのボスが持っている指輪を返してほしいことを正直に伝えます。それは当初、ひかるがユニに「そうしろ」と言っていたことでした。

すると宇宙マフィアのボスは、ユニに指輪をしてみろと言います。その指輪は、つけている人の気持ちを色で表すと言われているもの。ユニが指輪をすると、悲しみの色である青になりました。その様子を見たボスは、指輪を返そうと言います。これで無事、指輪が戻ったわけですね。

一方、ここまでの様子を見ていたアン警部補は、宇宙怪盗ブルーキャットになったユニの事情を察します。その上で、それでもなおやったことの罪をつぐなおう…といって、ユニを逮捕しようとするのですが…。プリキュアたちがララの宇宙船に乗って一足お先に逃げ出し、それを追いかける…というところで、今回の物語は終わりです。

ただ、今回の物語も、よく考えてみると「深い」ですね。宇宙怪盗になってしまったユニの事情、惑星レインボーをノットレイダーという敵に壊され、星の住民たちがみんな石にされて、宝を奪われた…。その宝を取り戻すために怪盗になったのがユニですが、「悪いことをする人にも、そうならざるをえなかった事情がある」とか、「そういう事情さえなくなれば、みんな、もともとはいい人なんだ」とか。だからこそ「そういう事情をなくして、もともとのいい人の部分を取り戻そう」と。プリキュアの物語には、どうもそういう人間観があふれているような気がします。


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