できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

ここで一旦、中間的総括

2006-10-14 08:55:52 | 新たな検討課題

今日は先月はじめから今までの、青少年会館「廃止」方針問題に関する大阪市役所ホームページ「市民の声」を使った私のとりくみについて、一度、中間的な総括をして、いったん「切り上げ」てみたいと思います。

その理由は、この2~3日の市役所側からの回答の様子を見ていると、「一度、ここらが切り上げ時か」と判断したことによります。その主な理由は、次の3点です。

まず、経営企画室からの回答。ほかの市民局・市教委などからの返答がすべて電子メールであったのに、いきなり大学宛の手紙に変わったこと。このことから、「あ~、一見ていねいな対応なんだけど、だんだん、警戒しはじめたな~」と受け止めました。

次に、ほかの部署からの回答も、比較的今までは「○月○日お問い合わせの件について~」というお返事だったのが、この2~3日は「先般お問い合わせの~」という書き出しになってきて、「もう、くたびれたよ~」という市役所側担当者の様子が伺えたこと。

さらには、今週10日には例の「監理委員会」の「まとめ」をうけての市長方針が発表されて、そろそろ次の段階での作戦を考える必要があると思われたこと。また、「監理委員会」のことを質問しても、委員会自体が8月末廃止のために「もう、ない」ということで「お返事できない」と市役所側が答え始めたこと。この3点ですね。

まぁ、こんな感じで、もともと今の大阪市長には「なんやねん?!」という疑問・怒りはあっても、市職員のみなさんを責めようという気は私にはないので、私から送った「市民の声」への質問・意見などについて、「対応するのももうそろそろ、しんどいわ~」と市職員側が感じ始めている傾向がうかがえたら、「ここらが切り上げ時だ」と思った次第です。

ただ、この間の一連の取り組みで、だんだん、見えてきたことも多々あります。その見えてきたことについて、いくつかの点にまとめて整理をしておきます。

(1)「市民の声」で私らからいろんな意見・質問を送ると、最初、これを受け付けている市民局の担当者から、市教委・経営企画室・市長室その他関係部署に回答するようにふっていく。また、どこの部署も答えようのない質問については、問い合わせを受け付けた市民局が回答する。そして、だいたい意見・質問を送ってから、短くて1週間、長くて3週間程度で、回答が送られてくる。これ、一見なにげない事務処理上の手続きを書いているように見えますが、「市民からのある意見・質問に対してどう答えるかについて、市役所・市教委内で内部調整のプロセスがある」ということを意味します。そして、こちら側が知恵をしぼって、その「内部調整のプロセス」が見えるような質問・意見を出せば、そこから市役所側の内情が、ほんの少しだけかもしれませんが、「市民の声」から見えてきますね。

(2)ただし、「市民の声」で回答できるのは、市役所・市教委の各担当部署で「今、ここまでなら言える」という範囲まで。たとえば、今後の市としての施策変更にかかわるような重要案件、特に現在検討中の重要案件については、「ノーコメント」もしくは「回答を控えたい」という返答がきます。逆に言えば、積極的に回答が送られてくるのは、「市役所・市教委にとって答えやすい事項」がほとんどだ、ということです。

(3)それと、これも忘れないように書き留めておきますが、この答えにくいような、回答を控えたいようなこちら側の質問・意見に対して「答えづらい」とか「ノーコメント」とか、正直に返答してくるのは、市役所・市教委側としてはかなり誠実な対応です。というのも、大阪市職員のコンプライアンスのあり方について9月末に質問・意見を述べたときがありますが、その質問・意見に対する返答はまだありません。部署的に言えば、これは職員人事を管轄する部署が回答してくるものだと思うのですが。ちなみに、そのときの質問の主旨は、「地方公務員法上の上司の命に従う義務」について、「その上司の命に従えば人権侵害の危険性があったり、市民の利益を損ねたり、違法性の疑いがある場合はどうなるか?」というものです。このように、すぐには答えにくいので返答できないのかもしれませんが、かなり今のコンプライアンス論の核心をつく質問や意見を述べられた場合は、「返答できません」ということ自体も戻ってきません。

(4)ただ、それでも、たとえ回答を控えたい質問・意見、返答がなかなかもどってこない質問・意見であったとしても市役所・市教委側に対して「市民の声」で送った内容については、市役所の規定上、何らかの形で記録に残すとともに、後日、どんな質問・意見などが送られてきたのかという概略をインターネットを使って公表することになっています。したがって、「市民の声」を使って、今の大阪市政のあり方に対して一定、抗議や批判の声をあげたことは、大阪市側としてきちんと記録に残っていきます。あとは、例えば市会議員やマスメディアが、この記録をもとにして何か議会質問をしたり、市長記者会見で取り上げたりすればいいのですが(ということは、市議会議員やマスメディアの取材者たちのセンスが今後は問題だ、ということです)。

(5)そして、「市民の声」で「こういう質問をしたよ~」ということを、個人ブログとリンクさせていけば、市役所側に記録が残るとともに、「市民」の側から大阪市政に対して抗議の意思表示をしたことを、インターネット上で公開することが可能ですね。アクセス解析でこのブログへのアクセス状況を監視していると、どうもネット上で青少年会館のことを検索すると、市役所・市教委ホームページの青少年会館のことを扱ったページの脇に、このブログも出てくるようです。

まぁ、「市民の声」を使った形での青少年会館「廃止」方針問題に対する私のとりくみで、だいたいこんな様子が伺えました。

さて、今後はどういう方向性に向かって活動を続けていくかですが、マスメディアのことについてはこの間、いろいろこのブログで書いてきましたので、次は「市議会」かな、と思っています。

なお、ここで「市民の声」を使った活動はいったん停止しますが、今後も青少年会館「廃止」方針のことについて、市役所・市役所側の気になる動きが出てきたら、いつでも再開できますので、そのつもりでいてくださいね(笑)

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« これは大変だ。 | トップ | 「市政上層部・企画管理部門... »
最新の画像もっと見る

新たな検討課題」カテゴリの最新記事