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京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

今日(12月16日)のプリキュアの話です。

2018-12-16 11:20:30 | プリキュア話

おはようございます。

今日も日曜日ですので、いつもどおり今回のプリキュアの話を書いておきます。

だいたいこの年末あたりのプリキュアは、例年、その年のプリキュアたちひとりひとりの成長をふりかえるエピソードの回が続きます。

今年の「HUGっとプリキュア」の場合、ここのところ、ルールーちゃん(キュアアムール)・えみるちゃん(キュアマシェリ)⇒アンリくん(キュアアンフィニ)⇒ほまれちゃん(キュアエトワール)と、プリキュアたちひとりひとりの「なりたい自分」が見つかる話が続いています。まぁ、アンリくんは大けがをしてスケートができなくなるわけですが、でも初の男の子からプリキュアになりましたしね。ただし、スケートの観客たちの夢物語の世界限定ですけど。

その上で、先週のほまれちゃんの回や、ルールーちゃんの回のときには、「親とのかかわり」がていねいに描かれています。でもまぁ、ルールーちゃんはアンドロイドなので、制作者のドクター・トラウムを「父親」として描いたわけですが。

さて、そんなわけで、今回はさあやちゃん(キュアアンジュ)と、大女優のお母さん・薬師寺れいらさんのお話です。先週も書きましたが、れいらさん&さあやちゃんの母娘共演の映画撮影という設定で、今回の物語がスタートします。

ただ、前々から書いていましたが、さあやちゃんは一方で「お母さんのような女優になりたい」という夢も描いていましたが、夏休みくらいから徐々に「産婦人科医になりたい」という気持ちも芽生えていました。職場体験で病院に行った回があったり、担任の先生の妻に赤ちゃんが生まれる回があったり、さらには2人めの生まれるお母さんとその娘を支える回があったり…。さあやちゃんはそういう場面を通じて、地元の病院の産婦人科医にあこがれはじめていたわけです。

今回も、こういう伏線があって、さあやちゃんとれいらさんの物語が展開していきます。具体的にいうと、念願の母娘共演というかたちで映画撮影がはじまったのに、どうもさあやちゃんの演技に身が入らない。大女優のれいらさんは「そんな演技でいいのか?」とさあやちゃんに問うわけですね。

その一方で、撮影所にはさあやちゃんのあこがれの産婦人科医も来ていました。というのも、はぐたんが赤ちゃん役で出演するので、何かあったときにすぐ対応できるように…ということで、映画スタッフが呼んだとのこと。その産婦人科医に、さあやちゃんは「どうして産婦人科医になったの?」「産婦人科医になったあとも、自分の選んだ道に迷ったり、後悔したことはないのか?」と尋ねます。すると産婦人科医さん「いろんな診療科を回っていて、出産の場面に出会ったのがきっかけ」とか「産婦人科医になっても、これでよかったのか迷ってばっかり。でも、その都度、自分の気持ちに正直に生きてる」という話をします。

それを聴いたさあやちゃん、お芝居の場面を通じて、れいらさんに「女優ではなくて、これから自分は医者を目指す」ときっぱり言い切ります。それを聴いたれいらさん、「あなたの人生は、あなたのもの」と一言。

ただ…。れいらさんにはやはりさみしさがあって、そこにクライアス社がつけこんできます。れいらさんのさみしい気持ちから、猛オシマイダーをつくりあげてしまいます。そして、そのれいらさんの気持ちからつくった猛オシマイダーのなかに、はぐたんを閉じ込めてしまいます。

一方、キュアアンジュに変身したさあやちゃんは、他のプリキュアたちの力を借りて、猛オシマイダーの胸のなかに飛び込みます。そこには、赤ちゃんの頃からさあやちゃんに大事に大事にかかわってきた母親・れいらさんの思いが詰まっています。さあやちゃんが自分のなりたい自分を見つけたことはうれしい。でも、「お母さんのような女優になりたい」と言ってくれたことが、どうしても忘れられなくて、さみしい…。そんなれいらさんの気持ちに対して、さあやちゃんは「お母さんのような女優になりたいとがんばってきたからこそ、今の自分があって、その今の自分が、また新しいなりたい自分を見つけたんだ」「お母さんのようなお芝居の世界ではなくて、自分は医療の世界で、みんなを笑顔にして、癒せるような人になりたい」という話をします。それを聴いて、れいらさんの思いが変わり、猛オシマイダーのなかからはぐたんとれいらさん、そしてさあやちゃんが出てきます。まぁ、ここから先はプリキュアたちの力で、猛オシマイダーを浄化するわけですね。

そして、ラストの場面。もう一度、お芝居を通じてれいらさんとさあやちゃんが話を始めます。台本にはないセリフばかりのふたりの演技ですが、映画監督はカメラマンにそのままその場面を撮らせます。そこでは、さあやちゃんが新しい自分の進路を見つけたことと、それを喜んで受け入れるレイラさんの気持ちが語られていたわけですが。

まぁ、こんな感じで、今回はどっちかというと「お子さま向け」というより、「いずれ我が子は自立していくんですよ。そのとき、親の思いとはちがった進路を選ぶかもしれないけど」という「親たち向け」のメッセージを満載した回になっていたように思いましたね。

そうそう、「みんなを癒す」キュアアンジュという設定にかかわって、今回、元・クライアス社のダイガンがいい仕事してました。ダイガンはプリキュアたちに確かに倒されたのですが、でも、キュアアンジュの気持ちで癒されて、いまはパップルたちの会社で働いています。「あのときはお世話になった」と、今回もさあやちゃん(=キュアアンジュ)に一言、語っていましたね。

それから、今回は放送開始の早い段階から、プリキュアとれいらさんたちが映画の世界に閉じ込められるという設定で話がすすみました。「これって昔、プリキュア5gogoあたりでくり返し使われた設定だよな~」と思いながら見ていました。また、その映画の世界で、たとえばえみるちゃんが魔法使いになって「キュアップラパパ」(=魔法つかいプリキュアの呪文ですね)と言ってみたり、ルールーちゃんがネコみたいな衣装になってみたり(=それっておそらく、キラキラプリキュアアラモードのキュアマカロンを意識していたのでしょう)…。そういう「お遊び」的な要素が詰まっていましたね。

あと、その映画の世界に閉じ込められていたとき、さあやちゃんは最初「お姫様」の衣装だったのですが、れいらさんとの会話のなかで「医者になりたい」という話ができたあとは、「お医者さん」の服装に変わっていました。そういう衣装のような小さなところでも、今回の物語の流れが反映されているんだなぁ…と思って見ていました。

最後に、予告編を見る限り、来週は「クリスマス」のお話になるようです。ただ、予告編にクライアス社のプレジデント・クライがでてきているので、来週からいよいよ年明けのボス対決に向けての物語が展開するんじゃないですかね。そこに、はなちゃん(キュアエール)の今年の成長のエピソードや、はなちゃんとお母さんとのかかわりが描かれるのではないかと…。


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