すだちの調教

常歩、軽速歩をこなし、最後に駈足と続いていく。
「駈足～」と声をかけ、足扶助をするが案の定すぐ動かない。
再度声をかけてムチを入れて駈足を促すすと、今度は尻っぱね
をして抵抗した。こんなことでおどろいたら、すだちの思うつ
ぼなるのでムチを強めに入れて駈足をさせる。
・
何度か繰り返すと、インストラクターが言った。
「ムチを繰り返すと抵抗をするので、脚を使って下さい」。
少々の脚では効き目が薄いので強めに「ドン」とやると、おど
ろいて駈足のスピードが増してくる。
・
言うことを聞かないときは馬によって違うが、すだちはムチよ
り脚に弱いのがわかった。駈足のスピードがあがらない時は、
すぐに「ドン」と蹴るとすぐにスピードが増してくる。たまに
サボろうと駈足から速歩に勝手に移行する。こんなわがままを
許すわけにはいかないので、完全に停止をさせる。
・
「駈足～」、「ドン」とやると、すだちにとっては苦痛になる。
サボるわけにはいかないし、スピードを落とすわけにもいかな
いので、ようやく終始私のペースで駈足が続くようになった。
今回私の騎乗で、すだちにとってよい調教になったかな。
・
汗びっしょりになった体をお湯で洗ってやると、とても気持ち
よさそうな顔になった。今日はよく頑張ったのでごほうびに、
厩舎に帰る道中、寄り道をして草を食べさせた。おいしそうに
「ムシャ、ムシャ」、「すだち、今日はよく頑張った」。





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