西宮市議会議員 しぶや祐介の活動日記

「子育てするなら西宮」「文教住宅都市・西宮」「住み続けたいまち西宮」の実現を目指す西宮市会議員のブログ。

「明らかにコミュニケーション能力が低い人」を除くための試験の効率が悪すぎる。 ~職員採用試験の見直しを!~

2020-02-10 16:22:02 | 市民に信頼される公正で効率的な行政と議会

「昆虫&動物大好き!」な三男から出てくる、幼稚園位の年頃に特有の「どうして〇〇は××なの???」攻撃が、なかなか手ごわい...
「どうして目はあるの?」「どうして耳はあるの?」的な質問に的確に答えるためには、こちらも理論武装が必要ですね。
で、そんなときに役立つのが、この本。
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個人的には「音波・電気・温度など目以外の器官で周囲を見ている生物も沢山いるけど、目で見るのが一番効率的!」といったあたりが面白かったです。
しかし表紙に乗ってるこれがアノマロカリスだと分かるあたり、なかなかマニアックな路線を突き進んでるな...

さて本題、ちょいと飛ばしてしまっている、12月議会で行った一般質問のご報告の続きですよ。
今日は、西宮市の職員採用試験についての質疑です。
それでは早速どうぞ。

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2015年度以降、本市の職員採用試験は1次から最終まで全ての段階で面接が入っています。
資料①をご覧ください。
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2017年度の職員採用試験の場合、1次試験が筆記80点・面接80点の計160点、2次試験が集団面接で300点満点、3次試験が小論文100点、面接500点の計600点で行われました。
しかしながら、現在の採用方法には大きく2つの点で問題があります。

一点目は、人手と手間がかかる割に効果が小さいという点です。
まず人手と手間がかかるという点について。
本市においては1次試験の受験者が1000人を超える年度も多く、1次試験で全員面接を実施するために2017年度は職員23人が3日間、2018年度は職員24人が2日間、動員されました。
これに要した費用は2017年度・約120万円、2018年度・約70万円。
本来、残業時間を減らすべく、庁内全体に対して見本を示すべき立場にあるにも関わらず、実際には最も残業時間が多い人事部職員が毎年、この業務に動員されている点も問題です。

次に、効果が小さいという点について。
これだけの職員を動員しても、1次試験での一人当たりの面接時間は数分程度。
これで適切に人となりを見極めることができるのか、極めて疑問です。
資料②をご覧下さい。
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2017年度の結果によると受験者1057名中、面接80点満点で80点だったのが32名で全体の3.0%。
60点が743名で全体の70.3%。
60点以上を取った受験者は1057名中775名に上り、全体の73.3%を占めています。
一方で、40点は207名で19.6%、20点は75名で7.1%でしかありません。
市は「1次試験の段階で明らかにコミュニケーション能力が低い受験者を除くことが出来、全体として受験者の質を担保できる」と主張していますが、「明らかにコミュニケーション能力が低い」と判定された20点の受験者は1057名中75名でしかありません。

二点目は、全段階に面接試験が入ることで試験の客観性・公平性が担保しにくくなるという点です。
まず最初に指摘しておきたいのは、世の中には公務員の採用に対して縁故を疑う厳しい視線が存在すること。
実際、他自治体において縁故採用が発覚し、大きな問題となった事例も存在すること。
だからこそ採用試験においては客観性・公平性が担保される形をとることが、きわめて重要だということです。


もう一度、資料②をご覧ください。
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2017年度の職員採用試験において、1次試験受験者1057名中、筆記で80点満点を取ったのは7名と全体の0.7%のみ。
60点以上80点未満も140名で、全体の13.2%にとどまります。
筆記試験で60点以上を取った受験者の割合は全体の13.9%に過ぎません。
一方、面接では80点が32名(3.0%)、60点が743名(70.3%)と73.3%もの受験者が60点以上を取っています。
資料①で示したとおり、2次試験以降でも面接の配点が大きな割合を占めており、本市の職員採用試験においては面接の占める割合が極めて大きくなっているのです。
面接試験は、試験官の主観による部分が、きわめて大きい試験です。
その面接試験が、職員採用試験の全ての段階に入ることで、理論上、筆記試験がダメでもコミュニケーション能力が高いとして合格させることが可能になります。
これは縁故採用や、特定個人を合格させやすくすることにつながる怖れがあります。

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本市の職員採用試験のあり方については以前から、ずっと問題視していました。
が、試験別の採点状況など具体的な情報について「個人情報なので!」という理由で開示されなかったため、攻めあぐねていたんですよね...
そんな中、
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●市民が、職員採用試験に関わる情報を情報公開請求
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●市は、個人情報に関わるとして実質拒否
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●これを受けて行われた訴訟で市が全面敗訴
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という流れがあり、今回の質疑につなげることができました。
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【ご参考】
職員採用試験に関する情報公開について、市の敗訴が確定しました。というわけで、追及始めます!@2018年12月のブログ
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しかし、こういう結果を見ると、やっぱり「都合の悪い話が含まれている→これは隠しておくべき!」と考えたのでは???という感想を持たずにはいられない...

さて、これにて前振りは終了。
次回以降のブログで、ここまでの内容を踏まえての具体的な質疑について、ご報告します。
それでは本日のブログは、これにて失礼いたします。