西宮市議会議員 しぶや祐介の活動日記

「子育てするなら西宮」「文教住宅都市・西宮」「住み続けたいまち西宮」の実現を目指す西宮市会議員のブログ。

お金をかけなくても効果が期待できる「ナッジ」。こうした情報を積極的に入手し、活用するべきです。

2019-11-18 14:58:07 | 市民に信頼される公正で効率的な行政と議会

大阪大学の大竹文雄先生の新著をGET&読了。
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それにしても大竹先生と共同で事業を展開しているとか、ほんとうらやましいぞ、尼崎市...
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【ご参照】
NPOだろうがどこだろうが、業務を任せる以上は調べるべきことがあるはず。そこをノーチェックではアカンでしょ???@2017年4月のブログ


ところで、この著書の中でも大きな部分を占めていたのが、最近、新聞等でも取り上げられるなど注目度が高まっている「ナッジ」についての話でした。
なお「ナッジ」については『あなたも知らないうちに誘導されているかも?行動経済学の手法「ナッジ」とは』から抜粋・引用した以下の内容が分かりやすいかと(【 】内は、私が付け加えた内容です)。
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「ナッジ(nudge)」とは注意や合図のためにひじで人をそっと突くことを指す英単語です。
~中略~
具体的にナッジとはどういったものを指すのでしょうか。
例えば、以下のような例が挙げられます。

・コンビニのレジ前に足跡をつけておき、そこに並ぶように誘導する
・ネットショップの会員登録時に、メルマガ登録のチェックボックスにすでにチェックが入るように設定しておき、登録したくない人はチェックを解除するようにする【→メルマガの登録率が上がる】
・レストランのメニューのうち、特定のメニューにのみ「おすすめ」を表示しておく【→「おすすめ」の注文率が上がる】

このように、ナッジはあくまで選択の余地を残しながらも消費者を特定の選択肢に誘導させるという手法です。
消費者にとっては自発的に選択した感覚があるため、商品やサービスの体験を損ねません。
そのため、マーケティングや営業においても、顧客を満足させつつ自社の誘導したい選択肢へと導く方法として知っておきたいところでしょう。
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冒頭にあげた書籍の中では、このナッジを行政が行う施策の中で利用し、効果を上げた事例も紹介されていました。
例えば、八王子で行われた大腸がん検診の受診率向上に向けた取組について、以下、引用。

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~前略~ 5月に検査キットを送付しても10月時点で未受診の人を対象に、受診勧奨のダイレクトメールを送ることにした。未受診者約4000名をランダムに2つのグループに分けて、同じ内容だが、メッセージの表現が異なるダイレクトメールを送ったのだ。
 一方のグループには「今年度、大腸がん検診を受診された方には、来年度、『大腸がん検査キット』をご自宅へお送りします」という利得メッセージが記されている。もう一方のグループには、「今年度、大腸がん検診を受診されないと、来年度、ご自宅へ『大腸がん検査キット』をお送りすることができません」と損失メッセージが記されている。
 論理的には、2つのメッセージは同じ内容である。したがって、情報の中身に反応するのであれば、ダイレクトメールを受け取った人で実際に大腸がん検診を受けた人の割合は、両グループで同じはずである。しかし、利得メッセージを受け取ったグループで、実際に受診した割合は22.7%であり、損失メッセージを受け取ったグループでは29.9%であった。つまり、損失メッセージの方が、受診率は高かったのだ。 ~後略~
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これ「得することよりも、損することを避けたがる!」「損失を回避したいという心理が強い!」という人間心理が明らかになったものであり、ナッジの分かりやすい事例としてよく取り上げられるものの一つですね。
ちなみに西宮市が、がん検診の受診を勧奨するために送っている葉書は、こんな感じ。
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書籍の内容に鑑みるなら「今年度は助成があります!」より「来年度は助成がありません!」の方が効果があるのかもしれませんね。
市にも提案せねば!

この分野、まさに今、研究や試行錯誤が進められている分野であり、最新の動向を積極的に追いかけていく必要があると考えています。
しっかり追いかけていくことができるよう、頑張ります!
というわけで今日のブログは、このへんで。
それでは失礼いたします。


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