「鉄は熱いうちに打て」という、ことわざがある。熱い内に打つと、いろんな形に加工できる。しかしこれを冷まし、冷やさないことには、製品に見合った強度を持つ事が出来ない。
これらはその他の、加工製品についてもいえる。そしてこう言う事は、私達の人間生活の上でも言える事である。
この夏世間はオリンピックで熱くなった。高校野球でも、熱くなった。夏祭りでも、花火大会でも、各種のイベントでも、スポーツにコンサートにと絶え間なく熱くなっている。一つが終わっても、次の熱くなる事を求めてさ迷う。
政治や経済においても、拡大とか成長路線ばかりに熱くなっている。成長拡大といっても、所詮は覇権行為であって、一方が拡大すれば他方が縮小するという格差を生み出し、一極集中させている。それは領土拡張思想をも生み、戦争にさえなる。
こうして世間は、冷めることがない。
私達が住む地球でさえも、元は火の玉のようなものだったものが、冷める事によって森羅万象描く美しい星となった。それが「自然の摂理」であるだろう。
「熱くなったものを冷ます」という「自然の摂理」というものを、我々は教育として教養として学ばなければならないのに、その体制が整っていない。
何せ「熱く」なっているから・・・・。
政財界から教育界も、マスコミメディアも、熱くなり熱くなっている。
国際化、グローバル化などと成長拡大や豊かさと楽しさを追い求めて熱くなるばかりではなく、教育教養を自然の摂理を理解し生かすことに心がけて欲しい。