8月30日(日)、(社)全日本鍼灸学会 第27回中部支部学術集会が開催されましたので参加してきました。
というより、わたくし実行委員の一人でもありましたので、よほどのことがない限り参加しないわけにはいきません。
鍼灸マッサージ師会では広報局長ってものを仰せつかっているため、ちょうど会報の作成と重なり、ほとんど睡眠をとらずに7時の”特急はくたか”で富山に向かったのでした~。時間の使い方が下手クソなだけなのでしょうね。
第27回中部支部学術集会
日 時:平成21年8月30日(日)午前9時30分~午後4時30分
会 場:富山県鍼灸マッサージ会館
テーマ:「鍼灸の新たな適応」
内 容:
特別講演 「21世紀の3大疾患『糖尿病』の鍼灸治療」
-あなたは見逃してませんか?糖尿病は治せます-
森ノ宮医療大学 客員教授 小川卓良 先生
教育講演① 「美容医療-患者さんは何を求めているか」
カメイクリニック 院長 亀井康二 先生
教育講演② 「女性医学と鍼灸-不妊症も含めて-」
明治国際医療大学 健康・予防医学教室
教授 矢野 忠 先生
シンポジウム 「病院・医院における産科領域の鍼灸治療」
一般口演 「頭痛に対する鍼灸治療の経験」
「慢性頭痛に対する鍼灸治療の一症例」
「帯状疱疹による腹筋麻痺の一症例」
「鍼治療と光トポグラフィによる脳機能解析に検討」
「クローン病の難治性痔瘻に対する鍼灸治療の一症例」
「つわりに対する鍼灸治療の一症例」
特別講演の「糖尿病が治せます」というと、いかにも鍼灸治療で糖尿病が治せるという話のようで胡散臭い話かなと思われましたが、そうではありませんでした。
現代科学や疫学などでは糖尿病に関しても様々なことが分かってきています。それらの科学的根拠に基ずいた正しい医学情報をまず知ることが大切だということでした。糖尿病というよりもインスリン抵抗性いわゆる耐糖能異常をいかに改善するかが糖尿病を減らし、人工透析、網膜症、脳血管障害や神経障害など合併症を防ぐ重要なポイントであるということでした。
そのためには、鍼灸師としては、あらゆる情報を駆使して「病気の特徴や症状を理解して頂き、治癒に向けていかに動機付けするか」が問題であるということでした。ただ薬に頼っているのではなく、病気の状態によってそれぞれ違うにしても、食事(ゆっくり噛むなどの食事方法も含め)、運動など生活習慣を改善し、そこに鍼灸治療を加えることで、さらに患者のQOLが向上していくということです。
また、これからまだまだ増加するだろう糖尿病について鍼灸師にもできる鑑別(隠れ糖尿病ではないかという)など、臨床に活かせる話題が豊富でした。
ピンボケですが亀井先生(美容)
教育講演の美容ですが、最近、鍼治療による美顔やダイエットなどが流行りつつありますが、それはそれで鍼灸治療の領域としては有りかなと思います。私は特別関心をもっていませんので行っていませんが、女性の「いつまでも美しくありたい」「年をとればとるほどキレイになりたい」という「美」への追求は男性では理解できないくらいパワフルな部分があると思います。そんな意味で美容医療のいくつかの部分では鍼灸治療は力を発揮するのだろうと感じました。
女性医学と鍼灸の矢野先生
もう一つの教育講演では、性差医療について、女性のライフサイクル、女性の鍼灸医療に対する意識調査、更年期障害の鍼灸治療、不妊症に対する鍼灸治療を総論的に話して頂きました。細かいところで勉強になったところが多々ありますが、先生が更年期障害のくだりで話された言葉に「女性(女性疾患)の今の状態を一連の物語として捉え診療することが大切」というものがありました。男性としては女性の現在までの生涯を物語として捉えるのは難しいことだと思いますが、個人として考えるなら、いろんな人生があって「今」の状態があるのだから少しでも環境や身体、心の変遷を歴史を追って理解することは、患者を治癒に導くために女性、男性を問わず大切なことなんだろうなと感じました。
一般口演の立野先生(富山)
一般口演でもいくつか質問させて頂き、有意義な時間でした。せっかく患者様からお金を頂き、そのお金で学会にも参加できるのだから、真剣に心をこめて勉強し、そのエキスをまた患者様に還元していかないといけませんよね。
シンポジウムの様子(逆子について)
中部各地(富山、石川、福井、岐阜、愛知、静岡)から128名の参加があり、盛会であったことは本当にうれしい限りです。
日々勉強、日々発見、日々反省、日々向上ですね
二葉鍼灸療院 田中良和
というより、わたくし実行委員の一人でもありましたので、よほどのことがない限り参加しないわけにはいきません。
鍼灸マッサージ師会では広報局長ってものを仰せつかっているため、ちょうど会報の作成と重なり、ほとんど睡眠をとらずに7時の”特急はくたか”で富山に向かったのでした~。時間の使い方が下手クソなだけなのでしょうね。
第27回中部支部学術集会
日 時:平成21年8月30日(日)午前9時30分~午後4時30分
会 場:富山県鍼灸マッサージ会館
テーマ:「鍼灸の新たな適応」
内 容:
特別講演 「21世紀の3大疾患『糖尿病』の鍼灸治療」
-あなたは見逃してませんか?糖尿病は治せます-
森ノ宮医療大学 客員教授 小川卓良 先生
教育講演① 「美容医療-患者さんは何を求めているか」
カメイクリニック 院長 亀井康二 先生
教育講演② 「女性医学と鍼灸-不妊症も含めて-」
明治国際医療大学 健康・予防医学教室
教授 矢野 忠 先生
シンポジウム 「病院・医院における産科領域の鍼灸治療」
一般口演 「頭痛に対する鍼灸治療の経験」
「慢性頭痛に対する鍼灸治療の一症例」
「帯状疱疹による腹筋麻痺の一症例」
「鍼治療と光トポグラフィによる脳機能解析に検討」
「クローン病の難治性痔瘻に対する鍼灸治療の一症例」
「つわりに対する鍼灸治療の一症例」
特別講演の「糖尿病が治せます」というと、いかにも鍼灸治療で糖尿病が治せるという話のようで胡散臭い話かなと思われましたが、そうではありませんでした。
現代科学や疫学などでは糖尿病に関しても様々なことが分かってきています。それらの科学的根拠に基ずいた正しい医学情報をまず知ることが大切だということでした。糖尿病というよりもインスリン抵抗性いわゆる耐糖能異常をいかに改善するかが糖尿病を減らし、人工透析、網膜症、脳血管障害や神経障害など合併症を防ぐ重要なポイントであるということでした。
そのためには、鍼灸師としては、あらゆる情報を駆使して「病気の特徴や症状を理解して頂き、治癒に向けていかに動機付けするか」が問題であるということでした。ただ薬に頼っているのではなく、病気の状態によってそれぞれ違うにしても、食事(ゆっくり噛むなどの食事方法も含め)、運動など生活習慣を改善し、そこに鍼灸治療を加えることで、さらに患者のQOLが向上していくということです。
また、これからまだまだ増加するだろう糖尿病について鍼灸師にもできる鑑別(隠れ糖尿病ではないかという)など、臨床に活かせる話題が豊富でした。
ピンボケですが亀井先生(美容)
教育講演の美容ですが、最近、鍼治療による美顔やダイエットなどが流行りつつありますが、それはそれで鍼灸治療の領域としては有りかなと思います。私は特別関心をもっていませんので行っていませんが、女性の「いつまでも美しくありたい」「年をとればとるほどキレイになりたい」という「美」への追求は男性では理解できないくらいパワフルな部分があると思います。そんな意味で美容医療のいくつかの部分では鍼灸治療は力を発揮するのだろうと感じました。
女性医学と鍼灸の矢野先生
もう一つの教育講演では、性差医療について、女性のライフサイクル、女性の鍼灸医療に対する意識調査、更年期障害の鍼灸治療、不妊症に対する鍼灸治療を総論的に話して頂きました。細かいところで勉強になったところが多々ありますが、先生が更年期障害のくだりで話された言葉に「女性(女性疾患)の今の状態を一連の物語として捉え診療することが大切」というものがありました。男性としては女性の現在までの生涯を物語として捉えるのは難しいことだと思いますが、個人として考えるなら、いろんな人生があって「今」の状態があるのだから少しでも環境や身体、心の変遷を歴史を追って理解することは、患者を治癒に導くために女性、男性を問わず大切なことなんだろうなと感じました。
一般口演の立野先生(富山)
一般口演でもいくつか質問させて頂き、有意義な時間でした。せっかく患者様からお金を頂き、そのお金で学会にも参加できるのだから、真剣に心をこめて勉強し、そのエキスをまた患者様に還元していかないといけませんよね。
シンポジウムの様子(逆子について)
中部各地(富山、石川、福井、岐阜、愛知、静岡)から128名の参加があり、盛会であったことは本当にうれしい限りです。
日々勉強、日々発見、日々反省、日々向上ですね
二葉鍼灸療院 田中良和