二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

平成21年9月 酔耀会(勉強会)

2009年09月22日 | 酔耀会(すいようかい)
9月16日(水)午後8時半より、今月も石川県の若手の鍼灸マッサージ師が集まる勉強会(酔耀会)が開催されましたので参加し、勉強してきました。

やはり終了は時計の針が午前1時近くを指していました。 本当に皆さん情熱あふれる臨床家、治療家だと思います。治療方法や治療に対する考え方は違うけど、患者様が元気で笑顔に健康な人生を歩んでほしいという強い意思がある仲間が近くにいて集まり勉強できるということは本当に幸せだと思いますね。

≪内 容≫

◎鍼通電とトリガーポイント療法が有効だった
 腰下肢痛の症例
 ~豊島先生~ 
29歳 男性の患者。腰部痛と右下肢痛としびれ感を主訴に来院されました。この患者に対し下行性疼痛抑制系の賦活と腰臀部を中心として形成されたトリガーポイントの不活性化を目的に治療を行ったところ3か月ほどで痛みがほとんど軽減されたという症例報告でした。また治療方針の参考として”線維筋痛症に対する鍼灸治療”という文献も参考にしたということで”線維筋痛症”についても発表がありました。患者が神経質であり睡眠障害や自律神経症状、不定愁訴などを有していたためこの疾患も念頭においていたということでした。鍼灸の臨床現場に意外に潜んでいるのではないかと思われる線維筋痛症を再度勉強できて参考になりました。

◎湯本求眞 記念学術講演会 参加報告
 ~宮川先生~
平成21年9月13日(日)に兼六園広阪休憩館で開催された上記講演会の参加報告をして頂きました。教育講演は漢方のものであり、その内容についての報告。鍼灸に関しては、森ノ宮医療大学保健医療学部鍼灸学科の山下 仁 先生が『国際的視野から見た鍼の臨床と研究の現状』ということで特別講演が行われた報告でした。これは、私の報告と類似性があったのですが、世界の鍼灸を含めた統合医療の動きは大きな流れで動いており、日本はそれに対応していかなければならないというものだったと思います。世界に広がる鍼灸診療は中医学が主ですが、そんな中やはり統合医療を束ねていく機関が日本にも必要であるということでした。鍼灸師はこの流れを知って、自覚して行動しないと何もやらない人は必ず時代の流れに置いていかれるなと感じました。

◎(社)生体調整機構制御学会 学術集会 報告
 ~田中良和~
私のブログにて紹介してある、上記、学術集会の参加報告をさせて頂きました。「鍼灸師はこれでいいのか」「鍼灸マッサージの未来はどうあるべきか」「鍼灸の業団のスタンス、学術団体や教育機関のスタンスはこれでいいのか」など、宮川先生の報告と相俟って様々な議論がされました。仲間でこのような議論ができることは嬉しいことであり、皆の意識も高まるというものです。鍼灸業界が早く”おらが大将”をやめて自分の立場や状況に気づいて行動していけるようにしないとね。


ベーコンの言葉に「知識は、ものを売って金もうけするための店舗ではなく、人間を救済するための豊かな倉庫である」というものがあります。

私たちの仕事はいつまでも勉強です。そして、知識を得ることは患者様が豊かになり病気が治るために必要なものであり、患者様が健康になればそれが即ち自分の喜びであり、自分の心を豊かにします。お金はその後についてくるものであり、それはまた自分を高めるために道具として使われるのです(お金は目的ではなく道具なのです)。
世の中すべて循環しているんですよね

本当に、勉強できる場があるということは有り難いことなんです~。

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント (2)
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星稜 練習試合(対 美方高校)

2009年09月22日 | 高校野球
9月13日(日)、日曜祭日でも予定が目白押しのためなかなか観にいけなかったのですが、久しぶりに練習試合を観戦してきました。

来春の選抜甲子園大会につながる北信越大会石川県予選を今週金曜日に控えての最後の練習試合でした。

練習試合(星稜高校野球場)

 星稜美方高校(福井)


今年のチームのいいところは、「今日は何を目標に試合に臨むか」と質問するとパッと返ってくるところですかね。それだけ選手がしっかりと目標を持ち、モチベーションを高めて野球に取り組んでいるということです。

本当にいいことです。



また、今年はホームランを常に打つような大砲がいません。野手の間を抜くバッティングで繋げていくのが今年のチームカラーでしょう。相手としては何かジワジワ~とプレッシャーがかかっていくといった感じですから、こんなチームの方が戦いにくいのかもしれません。

そして投手が充実しています。ここ最近のチームにはみられないほど計算できる投手、様々な場面に対応できる投手が多いのも特徴でしょう。



今日の試合も投打がしっかり絡み合い、集中力のあるいい試合でした。でも課題も多くあります。細かな所をしっかりチェックし、本大会までに練習を積んでいけば非常にいいチームが出来上がるんではないかと思っています。


最後は野球をさせて頂けるグランドに感謝して整備します

私の治療院ではスポーツ障害に限らず様々な患者様にご来院いただいています。本当に忙しくさせて頂いております。その中で、星稜の選手のケアも選手に負けないくらいに集中して全力でサポートして行こう と、気合が入っているのでした。

日々課題を持って、私も診療能力向上に向け自己研鑽していかないと、選手はじめ患者様に申し訳ないなと思う今日この頃です。

二葉鍼灸療院 田中良和
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第27回 (社)生体調整機構制御学会へ参加 ③‐2

2009年09月22日 | 鍼灸
(社)生体調整機構制御学会学術集会、シンポジウム報告の続きです

わが国の統合医療に関する取り組みについての紹介がありました。
文部科学省が行っている、世界最高水準の国際競争力ある大学づくりを目指す取り組みとして、国公立大学の優れた研究教育拠点に重点支援を行うという”21世紀COEプログラム”という私は恥ずかしながら初めて聞く言葉でした。その274拠点の中の統合医療に関するプログラムの情報を教えて頂き、数億、数千万単位で漢方を中心とした東洋医学の研究に資金が援助されているということを知りました。
また、厚生労働省でも、統合医療の安全性、がん治療と統合医療、循環器疾患に対する根拠に基ずく鍼治療、進行胃癌や頭頸部癌に対する漢方治療、高齢者に対する取り組みなどの大学での研究に対して数億単位で資金が拠出されていることを知りました。
そして、東北大学などが中心となり、西洋医学と同じ評価法では判定しづらい東洋医学に関する評価法の研究や、東洋医学的診断法である「証」についても研究されているということも知りました。

このことは、「へ~そんな取り組みがあるんだ~」で終わってしまえばそれまでの話ですが、国あるいは医師や科学者は鍼灸、漢方を統合医療の一つとして研究し評価しようとしているということです。そこには鍼灸医学は関係ありますが、鍼灸師は関係ないということです。私たちが仕事ができないということではなしに、チーム医療としての一員として鍼灸師が入っていけないということになる恐れが十分にあるということを感じました。いや、そのような大きな流れがあるということでしょう。私たちは自覚し、日々研鑽していかないと行政に対して鍼灸師に関する要求をするにしても、何を言っても相手にされなくなるんではないかなと思いました。鍼灸師全体が自覚し行動していないのですから…

このような緒言の後に各研究班からの報告があり、日々の臨床の変化や現象をつぶさに観察し記録し、自分のやれるところから法則性を見出していくことが大切であるということを感じました。


司会の黒野先生からは、結びとして以下のようなことでまとめがありました。

☆一般社団法人 生体調整機構制御学会
 ~鍼灸診療の定義~
 人の体を伝統的診断及び近代医学的診察をし、鍼及び灸を用いて行う医術により、人の健康維持と病める患者を治すことを鍼灸診療という。

☆臨床鍼灸の理念
 ・鍼灸診療の現場で得られる現象に気づくこと
 ・鍼灸診療の現場の現象を詳細に観察すること
 ・観察に際して科学の目で法則性を見つけること
 ・全ての現象を統計学により整理すること

☆鍼灸診療を行う心得(以下のスライド)



鍼灸師や鍼灸業界の医療の中でおかれている立場や状況は厳しいものだと把握できただけでも、明日からの診療や勉強に役立つお話でした。鍼灸業界や自分の仕事について広い視野でものごとを見つめることが必要だと思いました。

そういう自覚を持ち、自分が「今」何をしていかなければいけないか、それぞれ鍼灸師自身、環境や状況、立場が違いますので一概には言えませんが、視野と志だけは広く高く持って日々の臨床に、あるいは人生設計に励んでいきたいなと、さらに情熱が湧いてくるお話であったと思います。

暑い、暑い名古屋での一日でしたが、たいへん貴重な勉強になったと思いました。また、本学会代表理事であり、師匠である黒野先生が80歳を迎えこのような学会を設立された姿に感動し、”鍼灸医学(患者)に対し継続し探究し続ける情熱と信念”が道を貫く時には必要欠くべからざる条件だ ということも心から思いました。本当にいい学会だったと思います。

二葉鍼灸療院 田中良和
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