本釣亭日乗2

2022.7.22にt-cupブログの閉鎖に伴い2011.4月からの記事をこちらに引っ越してきました。

どんな時にも本は友達

2018-09-17 03:52:00 | 







こんばんは(^_-)-☆



多くは語るまいぞ(涙)

今年はコチ船に乗れてない!!!

(アナゴとアジには乗りましたが・・・)

のに‥吹く風は涼しく、夜は虫の声も大きくなりました。

もうすぐスミイカの便りも聞こえてきそうな時期になりましたね。




読書の方は大作こそ中々手が出ませんがボチボチやっております。

どんな時にも掌の中、カバンの中に読みたかった本が在る、というのは

非常に気持ちに潤いができるものかと。



レビューも何とか残していきたい。

(自分自身忘れちゃうもんでね!)

遡って漸く4月と5月の分が残せましたんでココにまとめておきます。。。


ここはひとつ「今更」と言わないでくださいね。







ウチ●の4月に読んだ本






私の村(ちくま文庫)畑中純


2018/04/01

「まんだら屋の良太」の畑中純描くところのユートピア。この方の画には上手い画には決して無いエネルギーを感じます。故郷の村をダムの底に沈めようとする推進派と反対派の対立。突如現れたモノカキ「鮎」を軸にして村の光と影を描く・・・と。しかし、そこは畑中氏。ふやけた理想郷ではありません。人はお金に転び、嫉妬に狂い、性欲に走る。解説でご自身のおっしゃるとおり、だから人間てオモシロい。宮本常一「忘れられた日本人」に登場する性にとことん開放的な村を連想させますよ。





タマリンドの木 (文春文庫)
タマリンドの木 (文春文庫)池澤 夏樹

文藝春秋 1999-01
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2018/04/05

池澤夏樹の「恋愛小説」です。主人公・野山隆志が突然の出会いから修子と恋に落ちてゆく様は非常に鮮やかに描かれているわけです。ドラマチックです。そして、綺麗にエンドロール。しかし・・・私が小説を読むのはもっと毒気に当てられたいからだ、ということを再認識しました。悩んだ末に隆志が選択した結論、これを否定するわけではありませんが、純粋な恋愛感情はもっともっと自分勝手で制御不能なものなのではないでしょうか・・・



洞窟オジさん―荒野の43年 平成最強のホームレス驚愕の全サバイバルを語る
洞窟オジさん―荒野の43年 平成最強のホームレス驚愕の全サバイバルを語る加村 一馬

小学館 2004-04-01
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2018/04/10

しばらく前に巷で話題になった本のようです。(テレビでも時々俎上に上るみたいです)親の折檻に耐えきれず、家を飛び出して洞窟などに住み43年間のサバイバル生活。そりゃ筆舌に尽くしがたい苦労もあったことでしょう。しかし、不謹慎を敢えて言うならば、山菜を採り、獣を捉え、魚を釣る。原初の生きる喜びもあったのではないでしょうか。山菜売ることを覚え、初めて食べたカレーライスや黄色い果物(バナナ)の味は如何ばかりだったか・・・オジさん、最後は内装屋さんに就職しちゃうわけですけれど、その後が何だか気になります・・・





真夜中の太陽 (中公文庫)
真夜中の太陽 (中公文庫)米原 万里

中央公論新社 2004-08-01
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2018/04/15

二十世紀が二十一世紀にに変わるころ、「婦人公論」や「ミセス」といった雑誌等にそれは辛口なコラム、エッセイが掲載されていたわけです。それから20年程が経ち・・・米原さんのご心配されていたことの結構な部分が的中。日本の行く末は?貴重な人生経験を積まれた論客の早世は本当に悔やまれます・・・




韓国を食べる (文春文庫)
韓国を食べる (文春文庫)黒田 勝弘

文藝春秋 2005-01-10
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2018/04/20

日韓対決クサヤvsホンオ、キムチに麻薬疑惑、韓国の本当の肉料理とは、なつかしのハモニカ・カルビ、韓国は何でも「生」ブーム、避けては通れない「犬」の話、将軍様はロバのステーキがお好き、シューベルトの名曲「ボラ」!?、金正日が贈った三トンのマツタケ、南北ワタリガニ戦争、イカの島・鬱陵島を行く、韓国豆腐の懐かしさ、韓国アユを訊ねて東へ西へ、ヤマメは「生けるバイアグラ」、イムジン川はウナギの名所、鶏は丸ごとに限る、クジラを食べる、韓国人は朝からフグを食べる、韓国ドラマとテナガダコの関係・・・どれも面白そうでしょ?





ウチ●の5月に読んだ本





戦後短篇小説再発見7 故郷と異郷の幻影 (講談社文芸文庫)
戦後短篇小説再発見7 故郷と異郷の幻影 (講談社文芸文庫)講談社文芸文庫

講談社 2001-12-10
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2018/05/05


移民、留学生、旅行者、出稼ぎ、身売り・・・昭和も日本もまだまだ若かった頃、日本人たちが本格的に外地・外国へと進出するようになった。異郷の地にある人々の幻影の「故郷」であるところの日本、若しくは田園。私の親の世代は出身が外地である方もいらした。彼らもやがて鬼籍に入りそのような視点からのものを書ける作家もやがて・・・。「引き揚げ派」の一人である五木寛之の収録作「私刑の夏」といったスリルに満ちた短編なども実体験をした者にしか書き得ない生々しさがある。やがて貴重な作品集になるであろうことは必定・・・。








流れる (新潮文庫)
流れる (新潮文庫)幸田 文

新潮社 1957-12-27
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2018/05/10

2018.6月開催の新潮講座「オカタケ氏の文学散歩」に参加。題材は「流れる」。内容はミニ読書会(そして成瀬巳喜男監督作「流れる」視聴)と柳橋散策でした。勿論下読みは2回しましたよ~。一度目は流しで、二度目は特徴的なオノマトペには青線、気になる箇所、表現には赤線を引きながら。二度目は流石に良く頭に入りました。(本はボロボロになりましたがまた良し。)映画の冒頭で河岸に置屋の並ぶ風景の中、船がゆっくり進んでゆく。散策で柳橋を渡り、両国橋の対岸から現在のその風景(ビル群)を眺めました。時代は流れた。。



今夜、すベてのバーで (講談社文庫)
今夜、すベてのバーで (講談社文庫)中島 らも

講談社 1994-03-04
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2018/05/15

平成4年に本作で吉川英治文学新人賞を受賞。中島らもの出世作と言っていい作品かと思います。それから26年の歳月が流れ、この世からいなくなってしまった著者の労作(依存症等については本当によく調べられております)にあれこれ言いますまい。巻末の山田風太郎との対談にも灘高トップレベル入学の頭脳の片鱗がうかがえますが、何より偉大なる先達風太郎氏にも通じる世の中を斜に見た姿勢がカッコ良いのだ。と思いつつ本書中にある久里浜式アルコール依存症テストをやってみたら私、判定は「-5.2。全く正常。正常飲酒群。」でしたアレ!?




荒木飛呂彦の漫画術 (集英社新書)
荒木飛呂彦の漫画術 (集英社新書)荒木 飛呂彦

集英社 2015-04-17
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2018/05/20

実は、著者の漫画をほとんど読んだことのない私ですが、映画関連の荒木飛呂彦本が中々に面白かったので3冊目。実際に漫画の道を志す者でなくとも、クリエイターならば得るところのある本かと。(少年ジャンプ的な道を目指しているならば必読、では!?)キャラクター、世界観、ストーリー、そして「テーマ」。う~ん、著者の言う「基本四大構造」を聞いただけで様々な少年ジャンプの漫画が思い浮かんできます。しかし、さすがにジャンプの世界にはもう戻れないなぁ。私も歳を取ったということか・・・





サバイバル!―人はズルなしで生きられるのか (ちくま新書)
サバイバル!―人はズルなしで生きられるのか (ちくま新書)服部 文祥

筑摩書房 2008-11
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2018/05/25

本書の中心となっているのが北陸本線・青海駅から上高地まで北アルプス単独サバイバル縦断をおこなった記録。二週間の予定。5㎏の米。登山道は使わない。電気製品・携帯電話など論外。谷筋をテンカラでイワナを釣りながら進む。この釣りに関する記述が非常に興味深い。渓流釣り師なら一読の価値ありかと。釣りは魚に教えてもらえということ。(坊主の釣行を十回繰り返すよりある程度釣れる釣行を一回行う方が得るものは多い。)ストイックな姿勢に共感するところ大でした!













最近ついに下の方の子供の「部屋よこせ~」が
始まり、本の置き場所問題が勃発中!

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3月に読んだ本はこれだ!

2018-05-19 03:58:00 | 




ここのところ、すこ~しブログ書く余裕などもできてきましたが・・・

いかんせん読書の記録はようやく3月分。。


早くカレンダーに追いつきますように(涙)





という訳で、3月読書の記録です(^_-)-☆






読書の腕前 (光文社新書)
読書の腕前 (光文社新書)岡崎 武志

光文社 2007-03-20
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2018/03/05
新潮講座で著者ご本人に会うにあたり再読。私が現在の読書スタイルを形成するのに多くの影響を受けた本。序章にてマーサ・グライムズ「桟橋で読書する女」を引き合いに言わば「スロー・リード」を提唱。(対極は情報量と効率を求めるファスト・リード)『私の「ブ」攻略法』ではそれまで積極的にはブックオフに近づいたりしなかった私が日参するまでに。読めば読むほど読みたい本が増え、若いときに読んで気づかなかったことが分かってきたり。岡崎先生の言う通りほんの少しだけ読書の腕前が上がってきているのかな~と自賛している次第です(笑)



女子の古本屋 (ちくま文庫)
女子の古本屋 (ちくま文庫)岡崎 武志

筑摩書房 2011-06-10
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2018/03/10
続いてオカタケ本。近年巷で増えていると聞く「女子の古本屋」。この現象に間違いなく一役買っている本でしょう。本が好きでないヒトには絶対に理解できないであろう職業の「古書店」。キツイ(重い)、キタナイ(?)、儲からない。なぜ女子が、と思うでしょうが答は明解。「これが私の生き方だから。」です。私にも一抹の憧れのある職業でありますが、無理だ。気に入った本は手元に残しておきたいので。登場する女性店主の皆様は破天荒な人生を歩んでこられた方もそうでない方もいるようですが、共通するのはサバサバした性格、なのではないかと。



去年の冬、きみと別れ (幻冬舎文庫)
去年の冬、きみと別れ (幻冬舎文庫)中村 文則

幻冬舎 2016-04-12
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2018/03/12
積んどいたら知らぬ間に映画化されていた・・・。読んでみたらミステリー。中村文則なのにミステリー。中村文則ファンでかつミステリーファンの方にはぜひどうぞ。私!?私は基本ミステリーは・・・。ただ、いつもながら登場人物が内面に秘めた狂気を描き出すことに関してはお見事。「炎」、「蝶」など映像化に馴染みそうなものがキーポイントになっていますから映画化構想はそのあたりからか!?




同棲時代第1巻 (fukkan.com)
同棲時代第1巻 (fukkan.com)上村 一夫

復刊ドットコム 2005-06-25
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2018/03/15
昭和の絵師・上村一夫の作品を読んでみたく探していた。近くのブでたまたま復刊ドットコム版の本書を発見。(結構いい値段!しかし、インターネットでは更に倍ぐらいの値が!)様々な漫画評の俎上にあがる機会も多い作品ですが、この巻ではまだ作品自体の方向性も千々に振幅しながら、主人公の次郎と今日子以外の人物がメインになるようなエピソードも多数。(しかも揃って心の闇や異常性を抱えたような人々!)70年代の陰鬱な空気を大いに感じることができます。(そして「中」へつづく・・・)



同棲時代―Complete edition (中) (fukkan.com)
同棲時代―Complete edition (中) (fukkan.com)上村 一夫

ブッキング 2005-08-01
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2018/03/25
見通せぬ将来への不安から徐々に壊れてゆく今日子。次郎、勝手だった自分を悔いてもすでに遅し。「愛はいつもいくつかの過ちに満たされている もし愛が美しいものなら それは男と女が犯すこの過ちの美しさにほかならぬであろう そして愛がいつも涙で終わるものなら それは愛がもともと涙の棲家だからだ 愛のくらし同棲時代」これは上巻導入部に挿入されている詩(もしくはナレーション)です。中巻末もこの言葉で締めくくられています。宣弘社に在籍していた作者が机を並べていた阿久悠が作ったような見事な昭和歌謡を思わせるフレーズです。




同棲時代第下巻 (fukkan.com)
同棲時代第下巻 (fukkan.com)上村 一夫

復刊ドットコム 2005-09-25
売り上げランキング : 273507


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2018/03/25
大団円と行くわきゃないよね、と思っていたら予想通りのドロドロ。次郎のダメっぷりは抜群です。結局、ズタボロになった今日子。一方、次郎はへべれけになってズタボロを装ったりはしますが、新しい女ができたら間違いなく立ち直るでしょう。男はズルい、と言われても仕方がありませんな・・・巻末収録の後日譚がまた気持ちよいほどダメダメです。しかし、上村描くところの切れ長の女性は薄幸のステレオタイプとして、どれだけのの作家が類型を生み出したことでしょうかね。


















昔、TVドラマ「悪魔のようなあいつ」で最後にジュリーが札束を撒き散らしたシーンがいまだに印象に残っています・・・
(原作:上村一夫)

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春来たり・2月読書の記録です。

2018-03-25 23:27:00 | 




今晩は(^^♪


おやおやっ

東京ではなんと桜が早くも見頃になってきていますよ!

今年はなにやら季節の進行が例年とは違うようです。

(花粉アレルギーの始まりは異様に遅かったですし。)

東京湾奥では大黒や本牧の釣り公園の目の前に遊漁船が集結。

この時期にチョットありえない脂の乗り具合のアジが釣れ盛っているようです・・・


予報では今週早くも夏日になる日もありそうな気配。

地球温暖化?というより、四季の移り変わり方が変わってきているような・・・

特に春と秋が短くなってきているような気が!?


今月は何とか月替わり前に読書メーターのデータを捕まえられましたのでこちらから春待つ2月の読書の記録です。







2月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1170
ナイス数:27




荒木飛呂彦の超偏愛! 映画の掟 (集英社新書)荒木飛呂彦の超偏愛! 映画の掟 (集英社新書)感想

荒木飛呂彦氏の映画愛、ホラーに続いてこちらには「サスペンス」。巻頭に自薦ベスト20の表があり、早速第3位にランキングされている「96時間」(2008仏)を観た。最高に良かった!主人公の元CIA工作員ブライアンを演じるリーアム・ニーソンの(日本でいえば高倉健?)仕事は貫徹、時代には乗り切れない感じに大いに共感。荒木氏の言う通りこれは「男泣きサスペンス」の傑作だ。観客にどのように主人公の犯す違法行為や反社会的行為に共感を持たせるのか、この難しい点をクリアして男泣きのロジックを見事に物語に昇華。次々いきますよ!

読了日:02月28日 著者:荒木 飛呂彦



宵山万華鏡宵山万華鏡(集英社)感想

これはホントに良くできた、しかし自分にとっては手強い本だった。目次から六篇の祇園・宵山に関する短編集と思いきや、永遠に終わらない異世界・閉じた宵山にまつわるフラクタル構造の物語。六篇其々が違うヒトの視点から語られるが、おもわぬ所で其々のヒトが交錯する。どういう結末を迎えるのかハラハラしましたが、きっちり一周廻ってそこそこにナイスなエンド。一作目「夜は短し歩けよ乙女」でそのファンタジーの嵐に負け、どえらく長い事積んであった本でしたが、もっと早く読んだらよかった。

読了日:02月25日 著者:森見 登美彦



しずく (小学館文庫)しずく (小学館文庫)感想

小学館文庫異色短編傑作選1。SF風や不条理など盛りだくさんの滝田ゆう短編集。しかし、やはり一番味のあるのは時代物。昭和7年、墨田区に生まれた作者ですから、周りには徳川の世をその目で見たお年寄りもまだまだご健在だったことでしょう。そこら辺から聞き伝えたか、何ともとぼけた味のある絵柄に今の世と変わらぬ打算や欲を持った侍たちが生き生きと動き回ります。いわば古典落語のテイストですね。

読了日:02月20日 著者:滝田 ゆう



心にナイフをしのばせて心にナイフをしのばせて(文藝春秋)感想

1969年4月、川崎の高校で起きた首を切断するという凄惨な同級生殺し。作者の奥野修司氏は神戸の「酒鬼薔薇」事件に触発され、今では世間から忘れ去られた事件を掘り下げる。しかし、少年法や個人情報保護の観点から被害者と加害者の関係性や加害者のその後については追跡が困難に。被害者家族に寄り添い、家族のモノローグという形態を借りてその後家族が歩んだ茨の道を記す。執拗な取材が結実し、終章間際にようやく現在の加害者の状況が判明するが、何ともやりきれない結末。果たして本作が被害者家族にもたらしたものは何だったのか考える。

読了日:02月10日 著者:奥野 修司



荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 (集英社新書)荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 (集英社新書)感想

「ジョジョの奇妙な冒険」の荒木氏のホラー映画論。巻頭にランキングを掲載し、ジャンル分け。体系的にホラー映画の見どころを解説。思い起こせば子供のころ~若い頃までは結構ホラー映画を観ましたが、大人になってからは・・・。当時は雑誌やTVで情報収集、映画館へ行けばパンフレットを買い、隅まで読む。重層的な楽しみ方をしている人も多かった。しかし、荒木氏の「ホラー」カテゴライズは非常に間口が広い!「エイリアン」も「ジョーズ」もホラー。早速ホラー熱復活、という訳ではありませんが「アイ・アム・レジェンド」買っちゃいました。

読了日:02月01日 著者:荒木 飛呂彦




読書メーター









結局、今年は大量のイカストックは出来ずじまい・・・

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やれやれ、1月読書の記録です。

2018-03-07 00:53:00 | 



今年は来るのが遅くて助かるなぁ~

(もしかして、体質改善して大丈夫になったのかしら?)

なんて思ってたら・・・ついに来ましたね。。。花粉


例年、薬の飲み始めは頭はいたくなりやすいわ眠気は出やすいわで散々。

目のかゆみだけはホントどうにかして欲しいわぁ~。

(酒飲むとより痒くなるんです)



さて、読書の方は硬軟織り交ぜボチボチいってますが、中々スケールの大きい作品は読めません。時間が無尽蔵にあればチャレンジしたい作品もありますが、当面はお手軽なもの中心となるのはやむなし。
それでは、いってみよお~





真昼の星空 (中公文庫)
真昼の星空 (中公文庫)米原万里

中央公論新社 2010-10-03
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資本主義社会のアイコンとしての東京ディズニーランドの薄気味悪さを指摘。薄々気づいていたが、見事に言語化していただきありがとうございます!年月を経て相変わらずの辛辣なご指摘多数ですが、中には経年の重みに耐えきれなかった作品もあり玉石混交といったところか!?

読了日 2018.1.5 



砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet (角川文庫)
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない  A Lollypop or A Bullet (角川文庫)桜庭 一樹

角川グループパブリッシング 2009-02-25
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とても良かった。これは「不思議な本です。」作者が言っているのだから間違いない。現在の桜庭一樹を形作る上で重要な役割を果たしたのである。(詳しくは巻末の作者あとがきに。)中学二年の山田なぎさに、僅か9月ひと月ほどの間にかけがえのないヒトができ、消えてしまう。この事件を経て、兄・友彦共々なぎさは子供ではなくなってしまう。胸の奥の柔らかい所に、役に立たないへっぽこ武器で世界と戦いながら死んでいった13歳の仲間が居たことを刻み付けながら。

読了日・2018.1.10



半七捕物帳〈5〉 (光文社時代小説文庫)
半七捕物帳〈5〉 (光文社時代小説文庫)岡本 綺堂

光文社 2001-12-01
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なぜか4巻飛ばして5巻。半七老人の語りもいよいよ佳境。話の作りも複雑化。まあ、昔も今も若者は浅はかで、地方のヒトは物見高く、悪女は執念深く、デフォルメ効かせて物の怪の影をちらつかせ、江戸風情と季節の風物詩をトッピングさせれば「あいよ!いっちょうあがりでい!」。「蟹のお角」という凄いキャラクターが登場してきますよ!

読了日・2018.1.15



子どもは判ってくれない (文春文庫)
子どもは判ってくれない (文春文庫)内田 樹

文藝春秋 2006-06-01
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上梓後すでに15年の時を経て、内田先生のおっしゃるように十二分にリーダブルな本。(ほんの一部、予想が外れてしまった「風通しの良い国交とは」なんて章もあるにはありますが・・・)私には珍しく、心しておきたい箇所には書き込こみ・傍線記入。これはぜひともカミさんや子供にも読ませて「内田先生かくかたりき」と喧伝するため。あ、これは「しつけ」を越えた「ファミリアル・ハラスメント」か!?ボーダーラインは限りなく透明に近いグレーですが自分が他人に「呪い」をかけずに生きていくことは中々に難しそうです・・・

読了日 2018.1.20



勝間和代のお金の学校―サブプライムに負けない金融リテラシー
勝間和代のお金の学校―サブプライムに負けない金融リテラシー勝間 和代

日本経済新聞出版社 2009-04-14
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2009年、丁度日本の経済もズタボロになっていた時期に出た本。竹中平蔵氏はじめ、金融各界の一人者と勝間氏の対談本。今日的には正直、目新しさは全くない・・・と、思いきや唯一、第四章「金融から未来を考える」大和総研・河口真理子氏のCSR(企業の社会的責任)、SRI(社会的責任投資=社社会的に責任のある活動を行っている企業に対して投資を行うこと。)に関する話には興味をひかれた。企業にとって目先の財務状況はそりゃ大切だが、サステイナブル(持続的)な企業・社会づくりを目指すところはどんどん応援しなきゃ!です。

読了日 2018.1.25









イカ釣りの用意はしてあるんですがねぇ。。。

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続いていきます。昨年の未掲載レビュー。

2018-02-02 02:53:00 | 




本日の雨、先日に続いて雪にならないと良いのですが・・・

と思ったら白いのがチラホラ混じってきましたよ!

先々週の雪もまだ一部残っているんですがねぇ・・・



「残ってる」、と言えば去年こちらには未掲載の10月・11月分のブックレビュー。

ここらで一気掲載を。







昭和三十年代の匂い (ちくま文庫)
昭和三十年代の匂い (ちくま文庫)岡崎 武志

筑摩書房 2013-05-08
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2017/11/20
そうだよなぁ。昭和三十年代のことは知らないけれど、四十年代はまだまだ匂いがあった。(筆頭は汲み取り式のアレですね)我が家でも風呂なしアパートに住んで銭湯は二日に一遍だった。大家さんの家によくお風呂をもらいに行った。近所の職人や工員の兄ちゃんからはムンムンするような男の匂いがした。舗装してない道も沢山あった。でも、誰もクサイとかキタナイなんて言わなかった。今や寛容という語も死語になりつつある人口150万の指定都市でのハナシ。


居酒屋兆治 (新潮文庫)
居酒屋兆治 (新潮文庫)山口 瞳

新潮社 1986-03
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2017/11/15
「血族」で山口瞳にやられて本作。・・・が、良くも悪くも映画「居酒屋兆治」の原作、という呪縛からは逃れられないのかと。私なぞは映画は見ていないのですが、当時流れていた映画CMの影響で脳内の兆治=健さんが確立してしまっています。これが読み進めるうえで相当な枷になったと思います。悪い人にギラリと光る存在感を持たせるのがフィクションを盛り上げるポイントかと思うんですが、本作は善い人が多数が登場し、しかもなぜそこでもっと騒がないのか、と、もどかしい気持ちばかりが募ります。



バーボン・ストリート・ブルース (ちくま文庫)
バーボン・ストリート・ブルース (ちくま文庫)高田 渡

筑摩書房 2008-04-09
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2017/11/10
「自衛隊に入ろう」以外は高田渡について知らなかった。破天荒なオヤジさんの血を受け継いだ一本芯の通ったヒトだったのだ。金子光晴、永山則夫等々の面々に半ば強引に詩をもらい曲を作った行動のヒトでもあった。歌と酒と友を愛し、歌と酒と友に愛された男でもあった。




ロビンソン・クルーソーを探して (新潮文庫)ロビンソン・クルーソーを探して (新潮文庫)
高橋 大輔

新潮社 2002-06
売り上げランキング : 260574

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2017/11/05
ロビンソン・クルーソーにはモデルとなった男が実在した。彼の足跡を辿っての著者の渾身の追跡行。モデル氏は実のところかなり奔放なかた。各国が公に海賊を雇い、活躍させていた時代の話ですから、そのあたりの話は中々に楽しい。単行本の時点では単にそこまでの作品・・・だったのですが、文庫版では何とその後の大きな発見が!一章まるまる追補されています。まさに著者の執念です。最後は少し環境についても考えさせられました。



せつない手紙―こころを伝える綴り方講座 (ちくま新書)
せつない手紙―こころを伝える綴り方講座 (ちくま新書)小嵐 九八郎

筑摩書房 1999-10
売り上げランキング : 1854875


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2017/11/01
著者が著してからやがて20年の月日が経ちますが、この間の手紙文化の衰退振りはもはや壊滅的。メールを始めとする電子的通信手段の発達によるところは致し方ありませんが、どうも、相手を思いやる気持ちの部分での国民的な衰退が進行しているのではないかと推測されます。本当に気持ちを伝えたかったら対面する。どうしても対面が難しい時の代替手段として「手紙」は発達してきたのだと思いますが、電子メールにはまだまだ「手紙」にとって代わるだけの「格」は備わっていないのだと考えております。せつない手紙を書けるような人に私はなりたい。







ここまでが2017年の11月分レビューです。

以下は遡って10月分のレビュー。





土の中の子供 (新潮文庫)
土の中の子供 (新潮文庫)中村 文則

新潮社 2007-12-21
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2017/10/20
うーん、芥川賞選考委員の仕事というのは鋭い。仏師が木を見て「仏が埋まっている」のが見えるように、本作を読んで「掏摸」を書き、その後も話題作を連発することとなる中村文則という作家を見透かしていたとは。人によっては読むに堪えないような内容が続き、カタストロフを迎える。しかし、カンダタの目の前に垂れた一筋の蜘蛛の糸のような微かなる光明を差し込ませておくことも忘れないことが中村作が支持される理由なのではないかと思う・・・



大人失格―子供に生まれてスミマセン (光文社知恵の森文庫)
大人失格―子供に生まれてスミマセン (光文社知恵の森文庫)松尾 スズキ

光文社 1999-08-01
売り上げランキング : 90011


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2017/10/15
とんでもなく積み続けてしまった本。でも、内容は今や昔なんだけれども読んだら意外やオモシロかった。書いている松尾スズキさん自身がまだ若く、よりエキセントリックであり、権威ではなかった時代の話である。




惜春 (講談社文庫)
惜春 (講談社文庫)花村萬月

講談社 2006-04-15
売り上げランキング : 86863


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2017/10/10
久し振りに萬月氏作。騙されて雄琴のトルコ(注・現ソープランド)で働かされる羽目になった佐山君。彼の身に起こる悲喜劇。以前、どこかのレビューで萬月作品を評して「オヤジのラノベ」と言いえて妙な表現を目にしましたが、本作もそういった体かと・・・(ラノベというものを読んだことが無いのであくまで想像です)気になるお姉さまとはやがてなるようになり、苦くてしょっっぱかったであろう作者の青春時代を投影した、最後は願望を達成していくオハナシに仕上がっています。読後感は悪くないです。




ホテルローヤル (集英社文庫)
ホテルローヤル (集英社文庫)桜木 紫乃

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2017/10/05
第149回直木賞受賞作。釧路にかつて存在したラブホテル「ローヤル」。この架空のホテルを巡り、時間をさかのぼる形のオムニバス。今や廃墟になってしまたローヤルにかつて集った寄る辺なき人々について、寂しさ、切なさをを漂わせ描く。しかし、ありのままである事を認める優しさをトッピングし、あたかも異国の物語を読んでいるような気にさえさせる筆致。ももよんさん描くところの表紙イラストもホッパー作「朝の日ざし」(1952)ダークバージョンといった風情で印象的・・・


プラントハンター 命を懸けて花を追う (徳間文庫カレッジ)
プラントハンター 命を懸けて花を追う (徳間文庫カレッジ)西畠清順

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2017/10/05
植物に賭ける情熱と家業を継ぐ者としての自負は伝わってきたが、タイトルから期待していた話ではなかった・・・。角幡雄介氏の「空白の五マイル」に登場する二十世紀初頭英国のプラントハンター、フランク・キングドン=ウォードのように人跡未踏の地に分け入り、未知なる植物を求める。こういう話期待していたんですが。四方山話として気軽に読む分にはよろしいかと思います。








年末・年始は風呂読書で何冊か水没させてしまいました・・・不覚にも!
普段はそんなこと無いんですがねぇ~~

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