本釣亭日乗2

2022.7.22にt-cupブログの閉鎖に伴い2011.4月からの記事をこちらに引っ越してきました。

梅雨が明ける前に・・・6月読書の記録

2014-07-24 03:33:00 | 





去年のようにはスカッと明けなかったけれど、関東地方の梅雨もようやく明けましたね。


7月はそれなりに釣りにも行けたので、読書の記録を残すのは後回しに・・・(汗)


6月分の梅雨真っ盛りの時期の読書の足跡。




五十嵐大介氏の作品は、海と自然の好きな人には絶対のおススメ。

(マンガですが、深いですよ。)









2014年6月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3122ページ
ナイス数:26ナイス




40歳の教科書NEXT──自分の人生を見つめなおす ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編40歳の教科書NEXT──自分の人生を見つめなおす ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編感想

相談できる相手も、頼るべき相手もいなくなった40歳の「自分」は、これからの人生をどう生きていけばいいのか。「12名のスペシャリストたちに素直な意見を伺った」本です。並み居る論客の中で、女優・東ちづるの一文が印象的でした。「眠れぬ夜の壁」(佳里富美/さんが出版)という本との出会いから自分がアダルトチルドレンだったことに気づき、母親と共に「生き直し」をする・・・一級のレビューになっています。とうとうご自身も「いいひとやめた!母と娘の挑戦」(マガジンハウス)というカウンセリングの実録本を著すまでに!!

読了日:6月3日 著者:



インターネットで古本屋さんやろうよ!インターネットで古本屋さんやろうよ!感想

コンセプトとしては、●●●オフの100均棚でせどりして、インターネットで高価転売!内容は古くなっている部分もあるが、参入の垣根が非常に低く見えてくる本です。あくまでも本業や副業と位置付けてしまうと苦しい局面が目白押しになりそうなので、いままで二束三文で古書店に買い取ってもらっていた本が「ちょっとした小遣い稼ぎ」になる、くらいの気持ちもアリか!?仕入れ作業は狩猟本能にビビッときそうですね~。まずは警察へ行って古物商の許可ね・・・。

読了日:6月5日 著者:芳賀健治



天気の好い日は小説を書こう―ワセダ大学小説教室 (集英社文庫)天気の好い日は小説を書こう―ワセダ大学小説教室 (集英社文庫)感想

小説を書くための具体的な諸注意などを講義。最終章では「小説がスラスラ書ける黄金の秘訣」を伝授。これが面白い。「書く」ためには先ず「読む」ことが必要なのであろうが、いままでどれだけ読めてなかったのか・・・。三浦哲郎の作品で評論家に絶賛されているものの中に、どこが良いのか今ひとつ判然としないのがあった。しかし、「こういう部分をこういう風に読むんです」と教えられ、「そうなのか~」と得心。言われてみればその通り。強烈なインパクトは作者の手から風呂敷包みで渡されて、読者の目の奥で解かれるもの。

読了日:6月10日 著者:三田誠広



ゑひもせす (ちくま文庫)ゑひもせす (ちくま文庫)感想

初期の杉浦日向子作品集。「ガロ」先達の影響も見て取れる様々な画風の変化も見どころ。最初期の「通言室乃梅」など、お世辞にも上手な画ではないが、書き込みと(トーン不使用!)時代考証の緻密さには舌を巻きます。「吉良供養」は泉岳寺に集う人々がご覧になったとすると感想は如何に!?きっと史実なんでしょうが、あまりにも凄惨。意識的に見えなくされてきた部分なのでしょうか。他作品も、人間の生きていくうえで発散される熱量を可視化したような粒揃いの作品群。

読了日:6月13日 著者:杉浦日向子



東京ファイティングキッズ・リターン―悪い兄たちが帰ってきた (文春文庫)東京ファイティングキッズ・リターン―悪い兄たちが帰ってきた (文春文庫)感想

人間というのは「出会うことの困難な相手」を受け取り手に擬したときの方がものを作り出すパフォーマンスが高くなる、そういう不思議な生き物。その通り。本書でも繰り返し俎上に上る「無時間モデル」の対極にある道理です。ただ、心配というか、非常に絶望的に感じるのは無時間モデルを環境として成長した世代は既にダイアローグなど不要の物、自分の発した言葉は不変で変更の余地がないと感じる人が増えているのかと。出会いの困難を乗越えて力作を手渡しても通じない。悲しいかなこれは近年、日々の業務の中で常に感じていることなのです・・・。

読了日:6月15日 著者:内田樹,平川克美



海獣の子供 5 (IKKI COMIX)海獣の子供 5 (IKKI COMIX)感想

かなり期間を開けて最終巻を読了。予想通り、かなりの部分を忘れているため、分からない・・・。自然と手が伸びて、第一巻から改めて読み直しています。(それだけの手応えのある作品ということです。)一点驚いたのは、作者のブレの無さ。足掛け5年以上の年月をかけた連載だったにもかかわらず、エピローグとプロローグで絵柄がほぼ変わっていない。筋も通っている。読み終わって初めて、僅かひと夏の物語だったことに気が付きました。彼岸を見て戻ってくることにより、内的なものに大きな変化が生まれる・・・モチーフの王道ですね。

読了日:6月19日 著者:五十嵐大介



海獣の子供 1 (IKKI COMIX)海獣の子供 1 (IKKI COMIX)感想

何年かのインターバルをおいて最終巻を購入・読了したところ、よく分からないところがあったので、1巻から再読。おお、そうか、これは既に祖母になった主人公・琉花のモノローグだったんですね。すっかり忘れていた、というより意識外でした。軽やかに外海らしきところを帆走するヨットを操り、昔語りを聞かせる孫の顔は・・・海君の面影。やはり母親の血を引いてか、埒の外へ飛び出して新しい天地を求めたんですね。それから・・・動物、魚の描写もさることながら、昆虫の表現(カミキリムシの飛翔やカメムシの歩行・・・)が素晴らしいんです。

読了日:6月20日 著者:五十嵐大介



海獣の子供 2 (IKKI COMIX)海獣の子供 2 (IKKI COMIX)感想

ジムにもあちら側のことが分かる時期があったんですね・・・。インドネシアはラマレラとおぼしき場所での勇魚漁りのはなし。鯨の一本突き。江戸時代に和歌山の大地などで行われていた伝統漁法は銛を「投げる」のに対し、こちらは手製の帆掛け船で鯨を追いまわし、銛一本で飛びかかる、現在の常識からはありえない漁法。対象はマッコウクジラ、マンタ、ジンベイザメ。人間は「文明」という果実を手にした時から神羅万象との交流を遮断してしまったのかもしれません。科学が進歩(?)するにつれて地球上で絶対的に愚かなる存在になってゆく・・・。

読了日:6月21日 著者:五十嵐大介



海獣の子供 3 (IKKI COMIX)海獣の子供 3 (IKKI COMIX)感想

ジムが神羅万象と交流できなくなって所属したのは、言わば「人間には何でもできる、これからもどんどん賢くなって、今あるすべての問題もみんな人間の手で解決できるようになる」と考える人の集まり。(byアングラード)この鋭い言葉は今の日本にそのまま当てはまりますね。人間には理解できない、そこにある事に気づくことすらできない秩序や価値や知があるかもしれない、ということに気づくべき。しょせん、人間が特別な存在だって考え方は思い上がりなのでしょう。海の神は時折、人間の行いを監視するためにその姿を現すことがある・・・。

読了日:6月22日 著者:五十嵐大介



海獣の子供 4 (IKKI COMIX)海獣の子供 4 (IKKI COMIX)感想

佳境です。やはり、、五十嵐大介描くところのあちら側とこちら側の端境にいる人々の表現は良いです。第二十七話「穿つ体」海女たちの日々、第二十八話「濁浪」胎内記憶のある子供たちの証言・・・。すっかりこちら側の人間になり果ててしまったジムの悲しみ、「・・・わたしは・・・あの子たちの友人になりたかったんだ・・・・・・」「だが・・・彼らは行ってしまった・・・」。この巻で「海獣の子供」再読もゴール。また機会があればきっと再読することでしょう・・・

読了日:6月25日 著者:五十嵐大介



百 (新潮文庫)百 (新潮文庫)感想

超えるべき対象が永遠にそれを許さず、(方法は様々だが。相手が一方的に降りてしまったり。)フロイトのいうところの「原父殺し」に取り掛かれなかった男を、色川武弘が私小説の形式を借りて描き切っています。簡単に言えば「エディプス=コンプレックス」。「ぼくの猿 ぼくの猫」で見せた曖昧模糊な世界は、浅田哲也作品群(丁度、高校生の頃、麻雀放浪記がブームでね。)と同じ作家の手によるものとは思えませんでした。泣き笑い、というのはとても寂しくて、少し悲しいものなのだ・・・「ピエロが何故わるい。」「しかし、ピエロは、辛い。」
読了日:6月25日 著者:色川武大






読書メーター









大黒で釣ったシコイワシのオイルサーディンが中々ウマく仕上がってシアワセ~。

パスタがワンランク上の仕上がりに!!



アンチョビーも鋭意熟成中!













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