『もってのほか』の名称で、其の秋の味覚を知らない人は居ないほど、有名になってしまった薄紫色の菊。
其のもってのほか、食べる時の歯応え噛み心地は、他のどんな食べ物の食感にも負けないくらい、すばらしい事は間違いない。
しかし、私は食べるときの味がどちらかと言えば、黄色の菊のほうがしっくりと口に馴染む。 理由は無い。
あえて言えば、お袋が夕方一生懸命その黄色の花びらをがくからつむいでいる姿が思い浮かび、味の中に交じり合っているのかもしれない。
おいしい山形の画像ーもってのほか、黄色の菊
時々、お客様より食用菊の花も、頂くく事がある。
それを、花びらをつむいで、沸騰した湯に入れてゆでるのも、いかにも女の仕事のような気がするので、筆者の場合ゴミやアブラムシを水で洗いながら点検し、それをそのままゆでるのである。
ゆでる前の写真
ゆで汁(単なる湯)には、若干の塩と『酢』を沸騰前に入れておく。 こうすると、菊の色の鮮やかさが落ちにくいと言われているのだが、筆者は比較して実験した事はない。
花びらを、がくから取らないで茹でるのは、黄色の菊はそんなにゴワゴワした感じにならないが、『もってのほか』の方は幾分ゴワ付いた感じがするようである。
面倒くさい場合は、がくごとテンプラにするのが良いのかも知らないが、筆者の場合は『揚げ物』は自宅の台所では作らないことに決めている。
油の処理が面倒なのと、鍋にダップリと注いだテンプラ油が、どうも勿体無いようで耐えられないのである。
最後に、黄色の菊のおひたしは、ドレッシングでも、マヨネーズでも美味しいが、筆者の場合『素醤油』で食べるのが、最も美味しいく感ぜられる。
なにしろ、花びらと、がくと、醤油の微妙なバランスで、少年時代に戻れそうな感じがするからである。
ゆで上がりのおひたし