読書日和

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「クローバー」島本理生

2007-12-11 20:36:04 | 小説
昨日の夜に読み終わった、ちょっとラブコメな本をご紹介します。
今回ご紹介するのは、「クローバー」(著:島本理生)です。

-----内容-----
ワガママで思い込みが激しい、女子力全開の華子。
双子の弟で、やや人生不完全燃焼気味の理科系男子冬治。
今日も今日とて、新しい恋に邁進せんとする華子に、いろんな意味で強力な求愛者・熊野が出現。
冬治も微妙に挙動不審な才女、雪村さんの捨て身アタックを受け…
騒がしくも楽しい時は過ぎ、やがて新しい旅立ちの予感が訪れる。
理想の人生なんてありえないけれど、好きなひとと手をつないで、明日も歩いてゆきたい――

-----感想-----
「クローバー」は渋谷の書店で見つけました。
その日は発売されたばかりで、平積みのコーナーにドカンと置いてありました。
買ってからしばらくは読んでませんでしたが、ここ数日で一気に読めました。
軽めな内容の恋愛小説で、ドタバタあり、ギャグありで面白く読み進めました。
島本さんといえばナラタージュの印象が強いので、こういうラブコメチックな作品は書かないと思っていましたが、書きましたね。
しかもかなり面白いです☆
双子の姉・華子と弟・冬治という二人の主人公が、それぞれちょっと変わった相手からアタックを受け、いろいろなドタバタが起きます。
前半は華子の話が中心で、日々恋愛に燃える華子の前に最強、最大(体型も最大級)のアタッカー・熊野が出現。
猛烈に嫌がる華子だが、熊野の超ポジティブな頭の中では、すでに華子は恋人も同然(笑)
この二人のドタバタは恋愛というよりラブコメで、読み進めやすくてテンポ良く読めました☆
物語の中盤からは双子の弟・冬治の話が中心になります。
こちらは島本さんらしい繊細な気持ちの揺れが描かれていました。
冬治は雪村さんというちょっと変わった才女からアタックを受けるのですが、このアタックが「捨て身アタック」なんですよね(笑)
捨て身アタックってどういうことなんだろう、と気になりました。
でも読んでみると、考えていたようなとんでもないアタック(笑)ではなくて、雪村さんの一途な想いが伝わってくる素敵な話でした。
でもやはり、ドタバタはありましたが。。。
雪村さんは常に敬語で話す人で、年下の冬治に対しても敬語を使います。
そんな雪村さんが珍しく怒ったことがあります。
そのときに言った言葉が、
「誰と会ってたの?」
です。ちょっと怖いですね…
でもまあ、これに関しては冬治が悪いのですが。
この辺りの話は、読んでからのお楽しみということで☆

こんな感じで、島本さんにしては意外な作品と思った本書ですが、とても楽しく読めました。
ナラタージュのような壮大なドラマを感じる作品ではないですが、この作品はこの作品で別の良さがありますね(^-^)
島本さんの新たな一面を見た気がします。
楽しく読める本なのでオススメです。
興味を持たれた方はぜひ読んでみてください。

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