『十七条憲法』の授業

2005年12月10日 | 歴史教育

 大学の授業も残り少なくなってきました。

 後3回、論理療法の話と聖徳太子『十七条憲法』の話とどちらがいいかと希望を書いてもらうと、1つのクラスでは大多数が『十七条憲法』でした。

 これは私にとってうれしい予想外でした。

 唯識を中心に仏教の話をした後で、

 「ところで、こうした深さと普遍性のある仏教を日本に導入した責任者は、聖徳太子です。

 そして太子は、驚くほど深く仏教を理解していたんです。

 その仏教精神を核に、人と人とが平和に、人と自然が調和して暮らすことのできる「和の国・日本」をみんなで創ろうという呼びかけ・国家理想を語ったのが『十七条憲法』なんです。

 これが日本の最初の「憲法」です。

 明治憲法や現行憲法の前に、いわば日本の「国のかたち」・国家理想として最初にあったのは、『十七条憲法』です。

 そもそも「憲法」という言葉自体、明治憲法を作ったとき、英語では constitution に当たる言葉をどう訳すかを考え、『十七条憲法』から「憲法」としたんですね。

 ここに語られている国家理想を知るということは、日本人としてきわめて正当な国民的アイデンティティを確立することにつながるので、こっちをきみたちに伝えておきたいという気もしているんだけどね。」

と話したことに反応してくれたのでしょう。

 昨日から始めましたが、学生たちは非常に感動して聞いてくれたようです。

 彼らはやはり「日本の子」、精神的な意味での「聖徳太子の子孫」なんだなあ、と感じたことでした。

*これから話していく詳しい内容については、拙著『聖徳太子『十七条憲法』を読む』(大法輪閣)を参照していただけると幸いです。


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コメント (6)
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