1年の終わりにあたり

2005年12月31日 | 生きる意味

 1年の終わりにあたり、この1年、どういう仕事ができたか、振り返ってみることにする。

 まず著作としては、『空海の『十住心論』を読む』(大法輪閣)を3月に出した。

 昨年まではかなりのペースで本を出してきたが、アウトプットに時間を使い過ぎたという感じもあるので、今年は少しインプットに重点を置くつもりで、著作は意図的にこれだけに限った。

 主催する研究所の機関誌『サングラハ』は、他の執筆者や編集担当の協力も得て、予定通り6冊を出すことができた。

 論理療法、アドラー心理学、フランクル心理学、そしてマルクス・アウレーリウス『自省録』について、「落ち込みを乗り越えるための6つの智恵」というサブタイトルで連載している。

 これについては、来年もまた連載を続ける。

 連載が完結したら、出してくれるところがあれば、出版したいと思っている。

 大学では、ほぼ『コスモロジーの創造』(法蔵館)、『生きる自信の心理学』(PHP新書)と、『宇宙と私の大きな物語』(サングラハ心理学研究所パンフレット)、『唯識と論理療法』(佼成出版社)の内容を伝えた。

 大学、学部によって『聖徳太子『十七条憲法』を読む』(大法輪閣)のダイジェストを伝えたところもある。

 例年どおり、多くの学生が世界観・人生観の大きな変容を体験してくれた。

 研究所での講座やワークショップも充実したものだった。

 『ダーナ』(佼成出版社)という雑誌で、「日本の心と仏教」という連載をしながら、精神史を中心にした日本史の学びを持続している。

 これはかなり大変な作業で、まだ当分続くだろうと思っている。

 来年の論理療法の講義に向けて、ヴァージョンアップのために必要な英語の原書を読み続けている。

 外部での講演やワークショップ、非常勤講師としての集中講義など、かなりの数こなした。

 そして何よりも、このブログの記事をなるべく毎日書くことに、相当なエネルギーと時間を費やした。

 しかし、メッセージ発信の手段として大きな可能性を持っていると思うので、来年も可能な範囲で持続しようと思っている。

 大まかにいえばこんなところだろう。

 自分としては精いっぱいやったつもりだが、日本の精神状況の荒廃に対してどのくらい影響を与えることができたという目から見ると、まだまだ足りなかった。

 来年もまた、できるだけのことをして、足していきたい。

 晩年近い空海が「高野山万燈会の願文」の中で、

 「虚空尽き、衆生尽き、涅槃尽きなば、我が願も尽きなん(虚空が果てることがあり、生き物がいなくなることがあり、涅槃に終りということがあるのならば、私の願も尽きるだろう(が、そういうことはないので、私の願も終わることがない)」

という誇大妄想ともいえるほどの、しかし感動的な、深い決心の言葉を述べているが、私もその口真似をして1年を終わろうと思う。


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コメント (5)
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