里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

オドリコソウの越冬葉

2018-12-18 | 日記
遠田郡涌谷町の箟岳丘陵南麓、奥行きの浅い小さな谷の農道を入っていくと、山陰の
林縁にオドリコソウらしき植物が点々と生えています。葉の先端や鋸歯がやや丸みを帯びて
いまが、これは芽だし後間もない葉なのでしょう。株の成長に伴って、葉の先端も鋸歯の先
も尖ってくるようです。葉脈部分の窪みが少なく、毛がヒメオドリコソウほどは目立ちませ
んから、在来種のオドリコソウで間違いないでしょう。




                             二枚とも2018.12.15撮影

オドリコソウの若芽は食用になり、湯掻いて和え物やお浸し、酢の物、天ぷら、油いためや
味噌汁の具などとして利用できるようです。
中国では古くから民間薬として用いられ、月経不順や、腰気、泌尿器系疾患にオドリコソウの
花を乾燥させたものを煎じて服用したようです。腰痛にもよく、乾燥させたオドリコソウの適
量を木綿の袋に入れて、薬湯料として入浴すると効果があるといわれています。

ヒメオドリコソウの場合は種子をアリが運ぶ「アリ散布植物」ですが、オドリコソウの種子では
そのようなアリ散布はないのかも知れません。いろいろ文献を調べましたが、それについての
記述は見つかりませんでした。


                                 2018.12.15撮影

シソ科オドリコソウ属の多年草で、北海道〜九州に分布する。草丈は30〜50cm。
山野のやや湿った林縁や窪地、沢沿いなどに自生し、半日陰を好む。
地下茎を伸ばしてふえ、しばしば群生する。
茎は4稜あって直立、やや太いがやわらかく、節には粗い長毛がある。
葉は対生し、葉身は広卵形で長さ5~10cm、先端は尖る。縁にあらい鋸歯があり、網目状の
脈が目立つ。基部は浅心形で1~5cmの葉柄がある。
花期は4〜6月、上部の葉腋に白色〜淡紅紫色の唇形花を密に輪生する。花冠は長さ3〜4cm
で、上唇はかぶと状、下唇は3裂する。側裂片は小さく、中央の裂片は大きく前に突き出し、
浅く2裂する。雄しべ4個のうち2個は長い。
果実は4個の分果からなる。分果はクサビ状倒卵形で長さ3mmほど、3稜がある。


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