南三陸町南部、山頂からの下山中、雑木林を通り抜けて杉林に入ると、山道の脇に常緑広
葉樹の幼木が束生しているのを見つけました。葉が小さく細いのでシラカシの幼木でしょ
うが、なぜこんなにまとまって生えているのでしょう ?
杉林を通り抜けた林縁の数か所にもシラカシの幼木が束生していて、それぞれ10~30本も
生えています。小動物か野鳥が冬~春に食べるべく落葉下にドングリを隠して貯食とした
が、それを食べ残したことから、このように発芽したものと想像されます。
二枚とも2023.11.22撮影
シラカシはドングリが生る木で、それをリスやネズミなどの小動物が運び、木の洞や枯葉
の下に蓄えるのが貯食です。食べ残し、或いは忘れてしまったドングリが発芽して、森の
木々が増えることが知られています。調べてみると、リスがドングリなどの木から実を運
ぶ距離は比較的短く、近くの木の洞や根元に貯蔵するとのこと。
野鳥もドングリを運ぶようで、特にカケスが好んで食べるといわれ、かつ貯食の習慣もあ
るようです。ただ、カケスは1~数個しか運ばず、貯食するのは1個ずつとのことなので、
写真のように束生するような貯食には関与していないでしょう。
アカネズミも貯食行動をとるようで、越冬用の穴にたくさんのドングリを蓄えると言われ
ています。そして穴に入りきらないドングリは、地面の浅い場所に埋めるようです。
深い場所のドングリは発芽せず、浅い場所のドングリは発芽しやすい傾向があることから、
私の写真のシラカシの幼木は、アカネズミが運んだものの穴に入りきらず、浅い場所に埋
めたものから発芽した、というのが正解なのではないでしょうか。
詳しくは下の「ドングリの森をつくる鳥」を参照願います。
https://global.canon/ja/environment/bird-branch/bird-column/biodiversity4/
二枚とも2023.11.22撮影
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