里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

オオムラサキとマルバヤナギ

2021-07-17 | 日記

一関市花泉町日形地区北部、山麓の水路の土手を上流側へ歩いて行くと、水路近くに小さ
な溜池があって、その土手にこんもりと広葉樹が茂っています。
樹種を確認すべく歩み寄ると、一匹のチョウが枝で羽を休めているのを見つけました。
羽が青紫色ですからオオムラサキですね。オオムラサキは日本昆虫学会によって国蝶に選
ばれている、美しく希少なチョウです。

                              二枚とも2021.7.6撮影

かなり近づいても全く動かないので、死んでいるのかと思ったほど。
さらに近づくと羽を立てたので、生きてはいるようです。写真を撮っていると、あっとい
う間に飛び立って、東側の森の方へ消えていきました。
しばらく動かなかったのは昼寝していたのでしょうか。
オオムラサキが止まっていた木を見ると、若い枝が緑色ですからヤナギの仲間でしょうか。
調べてみると、オオムラサキの食草はエノキとあるので、この木の枝では休んでいただけ
かも知れません。

「ヤナギの仲間」で検索して写真を見比べていると、「マルバヤナギ」という種の写真が
載っていて、私の写真の木とそっくりです。分布域を確認すると、東北地方中部以南〜九
州とあり、湿地や溜池畔に自生するとありますから、これで間違いないでしょう。

                              二枚とも2021.7.6撮影

エノキの葉に産み付けられたオオムラサキの卵は夏ごろ孵化し、秋までエノキの葉を食べ
ます。晩秋には木から降りて、落葉の下などに身を潜めて越冬し、春になって暖かくなる
と再びエノキに登ります。蛹を経て6~7月には羽化します。
成虫になると、クヌギやコナラ、ヤナギの樹液を吸って二週間ほど生活するようです。
枝に止まっていたオオムラサキは、樹液を吸った後、枝で休んでいたものと思われます。



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