大和町吉田地区の、山手の田んぼ脇の農道を歩いていると、農道と細い水路の
間にムラサキケマンが群生していました。
花は既に終盤のようで、一部は赤茶色になって萎れかけていました。
今年は花の時期が一週間以上も早まっているので、撮れるはずの花が終わって
いたり、予想もしなかった花が盛期を迎えていたりと、戸惑う場面が多いですね。
二枚とも2016.4.26撮影
ムラサキケマンは全体に水気が多く、軟らかな頼りなさそうな野草ですが、意外に
日当たりを好むようです。山中の杉林周辺や林道脇を捜し歩いたのに見つからず、
耕作地周辺で群生していたので驚きました。
草丈は精々40cmほどですから、山中で藪に埋もれるよりも、程よく草刈が行われる、
人里や耕作地周辺の方が生きやすいのかも知れません。
2016.4.26撮影
ケシ科キケマン属の越年草で、日本全土に分布する。
人里や耕作地周辺、山裾や草原などのやや湿ったところに自生し、草丈は20 ~40cm。
冬を根生葉で過し、春先から茎を立てる。全体が軟らかく、傷つけるとやや悪臭がある。
葉は三角状の卵形で、2~3回羽状に細裂し、長さ3~9cm。
花期は4~5月で、茎の上部に総状花序を出し、長さ2cmほどの筒状花を多数付ける。
花弁は4個で紅紫色~淡紅紫色、上側1個は距になり後ろに長く突き出る。
雄しべ6本、がく片2枚。果実は蒴果で長さ1.5cmほどの狭長楕円形。熟すと2つに裂け、
長さ1.5cmほどの黒い種子を弾き出す。
有毒植物で、全草にアルカロイド系のサングイナリン、テトラハイドロコリサミンなど
を含み、誤食すると、嘔吐、昏睡、呼吸麻痺などを惹き起こす。
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