南三陸町戸倉地区の西部、標高100~150mの丘陵地の間の農道を上がって行くと、
北へと入っていく細い林道があります。それを上がっていくと、細い沢沿いに扇状地形
があって、畑跡とおぼしき3~4段の段差が残されています。
その法面には、早くもタチツボスミレが咲き始めていました。
最上段の畑跡で山側法面に沿って歩いていると、白いスミレらしき花がいくつか咲い
ています。観察すると、細毛の生えた丸葉のスミレですから、マルバスミレでしょうね。
二枚とも2018.4.8撮影
範囲を広げて探すと、南向きの畑跡法面や、日当たりの良い林縁に点々と生えていますが、
まだ白いツボミの状態が多いですね。ここ以外にも山裾には桑畑跡が広がっていますから、
丹念に探せば群生地が見つかるかも知れません。
分布の中心は本州の太平洋側内陸部で、日本海側の府県では絶滅危惧種に指定されている
ようです。首都圏や西日本でも個体数は減少しているようです。
2018.4.8撮影
スミレ科スミレ属の多年草で、本州~九州の太平洋側の内陸部に分布する。
低山の落葉樹林下、土手や耕作地法面などに自生し、日向から半日蔭を好む。
根茎は短くやや太い。草丈は5~10cm、地上茎は無く、全体に毛が多い。
葉は卵円形~円形で長さ2~4cm、基部は心形。縁に鈍い鋸歯がある。
葉の表面は緑色、裏面は淡い緑色で、両面とも毛が多い。
花期は4~5月、花茎を葉よりも高く伸ばして、白い花を咲かせる。
花の直径は1.5~2cm、花びらは丸みがあり、重なり合う。唇弁には紫条が入る。
距は円筒形で太く、長さ5~7mm。
果実は蒴果で、下部が裂け種子が散布される。
夏葉は大きく広がって、長さ7~8cmになる。
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