涌谷町北部、箟岳丘陵を越える車道を走行していると、道路山側に土取場跡のような平ら
な空地があって、そこにエノコログサらしき植物が群生しています。
車を乗り入れて観察すると、ふつうのエノコログサは1~2割で、多くの花穂(果穂)は紫
褐色ですからムラサキエノコロでしょうか。道路脇などで時々見かける植物ですが、ここ
では空地全面に大群落を形成しています。
二枚とも2022.8.22撮影
ネットでムラサキエノコロの記事を幾つか読み込んでいると「花序は長さ3~5cmの円柱
形で、エノコログサに形がよく似ているが、全体に小形でやせたものが多い」との記述が
ありました。ここに群生している植物の花序は、多くが5~6cmはあって小形で痩せた印
象はありません。よく似た別の種があるのでしょうか。
ある記事に「アキノエノコログサは花序が紫褐色になることがある」との記述を見つけま
した。そこでアキノエノコログサを改めて検索すると、この植物の花序は長さが10〜20cm
もあるようです。写真の花穂はそこまで長くはないので、当初の予想どおりムラサキエノ
コロと思われます。路傍に生えたものは小形ですが、広い空地に生えたものは大きくなる
ということなのでしょう。
二枚とも2022.8.22撮影
イネ科アワ属の1年草で、日本全土に分布する。草丈は30~80cm。
日当たりのよい草地や河原、道端や空地に自生する。
茎は滑らかで細長く、基部で分枝して茎節で曲がり、上部は直立する。
茎や葉、葉鞘がしばしば紫色を帯びる。
葉は互生し、線形または線状長披針形で長さ10cm~18cm、幅0.5cm~1.8cm、縁に細かい
鋸歯がある。茎を巻く葉の基部に毛が1列に並んでいる。
花期は8~9月、茎の頂に3~6cmの円柱状の花序を出し、小穂を密につける。
小穂は1花からなり、芒は紫褐色を帯びる。小穂は長さ2~3mm。
穎果(えいか)は小さく、楕円形。
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