里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

クコの実 不老長寿の妙薬

2020-11-22 | 日記

一関市花泉町永井地区北東部、集落道を南へ歩いて行くと道路脇に杉林があり、その際に
赤い実を付けた低木が茂っています。ナス科のクコで、低地の川沿いや海岸近くの林際な
どで、小藪をなしているのを時々見かけます。

今の時季、これだけ実が残っているのは珍しいのではないでしょうか。
晩秋になって熟して甘くなると、メジロ、ヒヨドリなどの野鳥が競って食べますから、河
川敷や海岸近くの木では、実の数がかなり減ってしまっています。

                             二枚とも2020.11.19撮影

クコは各部位に薬効があり、果実は枸杞子(くこし)、葉は枸杞葉、根皮は地骨皮(じこっぴ)
と呼ばれて、それぞれ生薬として利用されています。

ここでは果実を取り上げているので、枸杞子について述べます。この生薬は、古くから不
老長寿や滋養強壮の妙薬として、広く利用されてきました。秋に赤くなった実を採取し、
初め日陰で乾燥させ、表面にしわがでてきたら天日乾燥させます。
これを煎じて服用、或いは果実酒として用います。滋養強壮・疲労回復・めまい・耳鳴り・
視力減退の改善などに効果があるとされます。
薬効成分はゼアキサンチン・ベタイン・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンCなど。

                                 2020.11.19撮影

ナス科クコ属の落葉広葉樹で、樹高1.5mほどの低木。北海道〜沖縄に分布する。
日当りの良い河川の土手や道端、海岸近くの林縁や荒れ地などに自生する。
太い幹は形成されず、根元から多くの枝が伸びて株立ち樹形になる。
樹皮は灰褐色で縦筋がある。枝には鋭い棘があって弓なりに伸びる。
葉は互生、または短枝上に5~6枚束生し、葉身は長楕円形~楕円形で長さ1.5〜6cm、
先端は尖り基部は葉柄に流れる。全縁で、両面とも無毛。葉柄は長さ2mmほど。
花期は7〜11月、短枝の先に1〜3個の花をつける。花柄は長さ7〜15mm。萼は鐘形で
長さ4mmほど、先が3〜5中裂し、裂片は三角状卵形で先は尖る。
花冠は淡紫色、漏斗形で長さ10mmほど、先は5裂して開き、裂片は卵形で先は鈍い。
基部に濃紫色の筋がある。雄しべは5本で花糸の基部に白毛をつける。雌しべは1本。
果実は惰円形の液果で長さ2cmほど、秋に橙赤色に熟す。
中に扁平な腎形の種子が20~30個ある。



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