気仙沼市本吉町山田地区の北部、渓流沿いに集落道が通じていて、これを上がって
行くと小盆地があります。下手には数枚の田んぼや牧草地があって今も耕作されていま
すが、上手は広い杉林になっています。
その林際の木漏れ陽が当る一角に、アマドコロが5~6本生えていて、いま丁度細い
釣鐘状の花を咲かせています。
よく似た植物にナルコユリがありますが、判りやすい違いは茎の断面形状ですね。
ナルコユリの茎が丸いのに対し、アマドコロの茎には5~6個の稜があって、断面が
多角形になっています。
二枚とも2018.5.20撮影
アマドコロの根茎は細長いヤマイモのような形で、横に伸びていて所々に節があります。
これを秋に掘り上げて乾燥させたものが、生薬の萎蕤(いずい)または玉竹です。
老化防止、滋養強壮、保湿・美白などの他、肥満、糖尿病の治療でも利用されるようです。
薬効成分はアントラキノン等のキノン類、ステロイドサポニン、フラボノイド類、コンバラリン等
2018.5.20撮影
キジカクシ科アマドコロ属の多年草で、北海道~九州に分布し、草丈は30~60cm。
山野の草地や林縁に自生し、日当たりを好む。
地下に長く横に走る根茎があり、節から地上茎を出す。茎は直立し、中部以上は弓なりに曲がる。
茎には6本の稜がある。葉は互生し、葉身は長楕円形で長さ8〜16cm、先端は尖り、基部は楔形。
質はやや厚く、両面無毛。裏面は白緑色。ほとんど無柄。
花期は4〜6月、葉腋から1~2個の緑白色鐘形の花を垂下する。長さ1.5~2cm、先が6裂し、
先端に微細な突起がある。雄しべは6個で、下部が花筒に接着していて葯は内向き。
花柱は単一で子房の2倍余ある。
果実は球形の液果で直径1cmほど、黒く熟する。種子は卵形で長さ3.5mm。
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