一関市室根町津谷川地区東部、山地中腹の林道から分かれて、岩手・宮城の県境をなす山
並みの最高峰を目指して尾根を登って行くと、幾つもの巨岩が屹立する難所に出ました。
巨岩を巻いたり、岩間を通り抜けたりしてさらに登っていくと、日当たりのよい尾根筋や
岩上に、赤い新葉を付けたごく小さな木が這うように密生しています。
半日陰や土の深い場所に生えている木では、新葉の赤みが薄かったり、もう緑葉に変わって
いたりするので、写真の葉も徐々に赤みが薄くなっていくものと思われます。
樹高が10~20cmしかないものの、葉の形や付き方からツツジ科のアクシバの仲間でしょう。
二枚とも2020.5.15撮影
アクシバはツツジ科スノキ属の低木ですから、スノキ属で検索してみましょう。
ウスノキ、スノキ、クロウスゴ、ヒメウスノキ・・とありますが、どの木でしょうね。
まず小型の木ですから、ヒメウスノキを調べてみました。
葉の形や付き方がそっくりですが、花期を調べると新芽が出るのと同時に花が咲くとあり
ます。写真の木はまだツボミの状態ですから、別物のようです。
ウスノキの解説文を読み込んでいると、仲間にコウスノキというのがあるようです。
本州の太平洋側と四国に分布し、林縁や岩山に生えるとあるので、これかも知れません。
葉の長さが2cmほどと小さく、写真を見るとツボミもそっくりですから、コウスノキで
間違いないでしょう。
「杜の都仙台 コウスノキより」
2020.5.15撮影
ツツジ科スノキ属の落葉広葉樹で、樹高1mほどの低木。
本州の太平洋側~四国に分布し、山地の林縁や岩場に自生、乾き気味の日当りを好む。
枝は良く分枝し、若い枝は緑色。
葉は互生し、卵状楕円~卵状長楕円形で長さ2cmほど。先端は尖り、葉縁には細かい鋸歯
がある。葉柄は長さは1mmほど。
花期は4~5月、枝先に鐘形の花を1~2個下向きに付ける。花は緑白色で、淡紅色の筋が
入る。花冠は先が5裂し反り返る。
果実は卵状球形の液果、直径は7mmほどで5稜がある。8~9月に赤熟し、食べられる。
種子は長さ1mmほど。
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