栗原市栗駒地区、山地中腹の林道を行くと、枝沢の上手に小湿地があって、やや大形のス
ゲらしき植物が茂っているのが見えます。湿地に入って行くとジュブジュブとぬかるむの
で、水の少ない所を選んで近づきます。草丈が60~70cmmもあり、褐色の頂小穂が直立し
ているのが印象的です。側小穂は3~4本付いていて、これもほぼ直立しています。
特徴がハッキリしているので、種の特定は容易でしょう。
二枚とも2023.5.18撮影
カヤツリグサ科の植物図鑑で、スゲ属の植物の写真と見比べると、カサスゲとミヤマシラ
スゲの2種が私の写真の植物とよく似ています。両者の写真を見比べても違いがよく判ら
なかったのですが、解説文を精読すると側小穂に違いがあって、カサスゲのそれは茎から
離れて多少垂れるのに対し、ミヤマシラスゲのそれはほぼ直立するとあります。
私の写真の植物の側小穂はほぼ直立しているので、ミヤマシラスゲと思われます。
二枚とも2023.5.18撮影
カヤツリグサ科スゲ属の多年草で、北海道〜九州に分布する。草丈は50~80cm。
沼沢地や湿地に自生し抽水状態を好む。ヨシ群落の下層として生育することも多い。
日当りを好むが、樹陰などの半日陰地にも生える。
匍匐根茎が横に這って広がり、しばしば群生する。
茎の基部の鞘は淡色。葉は幅8~12mm、厚くて柔らかく、3脈が目立つ。葉裏は粉白色。
花期は5~7月、茎の一番上に付く頂小穂(雄性)は褐色で線形、長さ3〜7cm。
側小穂(雌性)は2~6個が、茎に添ってほぼ直立する。円柱形で直径7〜9mm、長さ2.5
~6cm。苞は葉に似て長く、鞘はない。
果胞は長さ4mmほど、熟すと著しく膨らみ、隙間なく密集し、乾くと黒色に変色する。
柱頭は3岐。鱗片は果胞より短いものが多く、淡緑色、凹頭~鈍頭で、先が長い芒になる。
小穂の基部の果胞に鱗片の長いものが見られる。
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