里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ヒナゲシ ヨーロッパ原産

2023-05-23 | 日記

栗原市栗駒地区、県道を走行していると、丘陵下の民家周りに真っ赤な花がたくさん咲い
ているのが見えます。車を停めて観察すると、赤いポピーの花ですね。植えたというより
も、こぼれ種で毎年咲いてくる花々のようです。それぞれの株を見ると、花よりもツボミ
の方が多いので、花の盛りはこれからでしょうね。

市街地方向へさらに車を走らせると、県道沿いにも点々と、或は10~20本と固まって咲い
ている場所がありますから、それらも野に逸出した株と思われます。

                             二枚とも2023.5.18撮影

一般的にポピーと呼ばれる花ですが、調べてみるとポピーとはケシ科ケシ属の花の総称と
され、写真の赤い花はシャーレーポピーという種のようです。和名はヒナゲシです。

ヒナゲシの原産地はヨーロッパ~西アジアで、我国へは安土桃山時代から江戸時代初期に
かけて渡来したようです。美しい花を咲かせることから、現在では北アメリカやアジア各
地でも栽培されていて、多くの地域で野生化しているようです。
原種の花色は濃紅色ですが、現在では淡紅色、白、絞りなどもあるようです。

                             二枚とも2023.5.18撮影

ケシ科ケシ属の1~2年草で、原産地はヨーロッパ~西アジア。草丈は30~80cm。
こぼれ種から秋に発芽し、根生葉で越冬する。根生葉は狭楕円形でロゼット状に展開する。
葉身は羽状に深裂~全裂し、裂片に切れ込みがある。全草に粗毛がある。
茎は直立し、まばらに分枝する。茎葉は互生し、長楕円形で羽状に深裂する。
花期は5~6月、分岐した枝先に一つだけ花を咲かせる。蕾は下向きで萼に覆われており、
開花時に萼が落ちて花が上を向く。花は椀形で直径6~9cm、 濃紅色で花弁は4枚、きわ
めて薄くしわがある。雄しべ多数。
花は2~3日で萎むが、次々に咲くので花期は1ヶ月ほど。
果実は類球形~広倒卵形の蒴果で、長さ10~20mm、直径10mmほど、10本ほどの放射状の
線の入った円盤状の蓋がある。熟すと蓋が破れ種子を散布する。
種子は多数、腎形状長楕円形で長さ1mmほど。



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