里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

クリスマスローズの根生葉

2023-12-20 | 日記

石巻市桃生町、麓の集落道から丘陵へ上がって行く舗装道があり、これを辿れば丘陵を越
えて北側へ抜けられるかも知れません。上がって行くと丘陵の鞍部に至りますが、舗装道
はそこで終わっていて、北側へは不確かな山道が下っているのみです。
鞍部辺りには数軒の民家があり、付近の道路端には等間隔で十数株の植物が植えられてい
ます。セリ科の薬草のトウキに似ているような ?

写真の葉は掌状に6~7裂しているのに対し、トウキの葉は3出羽状複葉ですから、大雑
把な印象としては似ているものの、並べてみれば全くの別物と判ります。それにトウキの
葉は晩秋には枯れてしまいますから、この時季につやのある緑葉は見られませんよね。

                               二枚とも2023.12.9撮影

光沢のある緑葉といえば、キツネノボタンとかタガラシの葉が思い浮かびます。
ともにキンポウゲ科の植物なので、この根生葉もキンポウゲ科のものかも知れません。
それに道路端に植えられたのは、きれいな花を咲かせる園芸植物だからでしょう。

「キンポウゲ科 園芸植物 掌状の葉」でネット検索すると、『キンポウゲ科の花 HAS
MA』という記事があり、ここに収載されている植物の葉を見比べていると、クリスマス
ローズが載っていて、この葉に似ているように見えます。
改めてクリスマスローズで検索し、葉の写真を幾つか見た結果、私の写真の根生葉はクリ
スマスローズのものと確信しました。宮城県北の露地で越冬できるんですね。
なお大別すると、クリスマスローズには有茎種と無茎種がありますが、一般に販売されて
いるクリスマスローズの多くが無茎種と言われるので、これも無茎種と思われます。

                                   2023.12.9撮影

キンポウゲ科クリスマスローズ属の常緑多年草で、原産地は地中海や黒海沿岸部。
原種は有茎種と無茎種に大別され、およそ20種がある。全草に有毒成分を含む。
原産地では石灰岩地や牧草地、落葉樹や雑木林下などに自生し、半日陰~明るめの日陰を
好む。我国へは明治初期に渡来し、当初は強心剤、下剤、堕胎薬などとして用いられた。
現在、一般に普及しているものは殆どが品種改良された無茎種で、草丈は20~30cm。
葉は根生葉で長い葉柄の先に掌状複葉を出す。裂片は長楕円形で7~9個、鋸歯のあるも
のが多い。葉質は厚く濃緑色で、葉表には光沢がある。
花期は12~4月、地際から高さ8~20cmの花茎を伸ばし、茎頂に1~3個の花を付ける。
多くの品種があり、花色は白色や黄色、緑色や黒色、桃色や紫色などバラエティに富む。
花の直径は4~8cm、花弁のように見えるのは萼片で5枚の品種が多い。花弁が変化した
蜜腺が雄しべを取り巻き、それらの中心に雌しべがある。
果実は袋果で、種子にはアリが好むエライオソームが付き、アリによって散布される。



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