一関市花泉町、整備された林道を上がって行くと、日当りの良い路肩に濃緑色の葉を付け
た植物が群生しています。ざっと100株はありそうです。
草丈は10~15cm、楕円形の葉が互生しています。
葉や草姿から、ユリの仲間のように見えますが、このような小形の植物は見たことがあり
ません。細部まで観察していると、葉腋に白い筒型の花ガラのようなものを見つけました。
ナルコユリの花を小さくしたような形ですから、アマドコロ属の花のようです。
二枚とも2023.5.27撮影
もしかして、これがヒメイズイでしょうか ?
念のため茎に触ってみると、4稜が認められるのでヒメイズイで間違いないでしょう。
かつて海岸近くの草地や松林で探してみたものの、どこを探しても見つけられなかったの
で、半ば諦めていた植物です。それが、こんな内陸の林道端に、無造作に群生していると
はビックリです。どんな経路でここまで来たのでしょう ?
さらに林道を行くと、20~30株の小さな群生地がありました。
そこから少し下って行くと、斜面下の半日陰の林道端にも20~30株が生えていました。
元々は、近くの松混じりの雑木林際にでも生えていたのでしょうか ? そこから種子が供給
され、競争相手のない林道端で株数を増やしたものと推測しています。
二枚とも2023.5.27撮影
キジカクシ科アマドコロ属の多年草で、北海道~滋賀県以北の本州、九州に分布する。
海岸の草地や松林、山地の草地などに自生し、草丈は5~30cm。
根茎は白色で円柱状、直径は2~4mm、節があって長く横に這い、しばしば群生する。
茎には4稜があり、分枝せずに直立する。
葉は互生し、長楕円形~広楕円形で長さ4~7cm、先端は丸いか、やや尖り、基部は鈍形
でほぼ無柄。葉表は濃緑色でつやがある。
花期は5~7月、花は葉腋に1個、ときに2個が下垂し、苞はなく花柄は長さ1cmほど。
花被片6個が先端部を残して合着し、長さ2cmほどの長い筒状となる。花色は白色で先端
は黄緑白色を帯びる。雄しべは6個、葯は長さ2.5mmほど。
果実は球形の液果で直径1cmほど、紫黒色に熟し5~6個の種子を入れる。
種子は長さ3mmほど。
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