里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ホタルカズラ 松島丘陵

2017-05-10 | 日記

東松島市大塚地区の内陸部、丘陵地と農地の間が刈り払いされていて、そこに早く
もホタルカズラの青紫色の花が、点々と咲いていました。
年に何度か刈り払らわれるためつるが短く、花数は少ないようです。
ただ、南西斜面で日当たりが良いせいか、林際などに咲く花よりも花色が濃いですね。
中に赤紫色の花が何個かありましたが、これは咲き始めの色のようで、次第に青紫色
に変っていくようです。




                             二枚とも2017.5.3撮影

宮城県内では石灰岩地帯で見かけることが多いのですが、ここはやわらかい凝灰岩や
砂岩層からなる丘陵地なので、出合えるとは全く予想していませんでした。

ホタルカズラを漢字表記すると「蛍蔓」となります。
その由来は、青紫色の花の中央に隆起した白い星形を蛍の光になぞらえ、花後に走出茎を
這わすので葛(かずら)が付いたもの。


                                 2017.5.3撮影

ムラサキ科イヌムラサキ属のつる性多年草で、日本全土に分布する。
石灰岩地を好み、半日陰になる林縁や崖地などに自生し、葉は冬も枯れない。
根茎は這い、長いものは30㎝ほどになる。
花後に長い走出枝(ランナー)を出し、古いものは木質化する。
根生葉はまばらにつき、葉身は倒披針形~へら形で長さ3~6cm、短い葉柄がある。
全縁で、葉や茎に多くの短剛毛が生える。
茎は横に這う基部から直立する。茎葉は互生し、根生葉と同形で小さい。
花期は4~5月、花は鮮やかな青色~青紫色で直径は1.5cmほど、先は深く5裂して平開する。
5裂片にはそれぞれ基部から、白い隆起があって星形に見える。
雄しべは5個、隆起線の下につき、花糸に腺毛が多い。花柱は長さ4mmで柱頭は頭状。
果実は堅果で4分果。白色~淡黄褐色の卵形で、長さ3mmほど。






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