南三陸町歌津地区の半島部には、標高30~50mのなだらかな丘陵地が広がっています。
遠望すれば平坦な台地に見えることから、数十万年前(更新世)の海進期には海蝕棚だった
ものと推測され、それが土地の隆起や海退から陸地化したのでしょう。
土地利用としては畑地や草地(耕作放棄地)、大小の林がパッチワーク状に配されています。
集落道から細い農道に入り、しばらく行くと海岸へ下る荒れた林道があり、これをゆるやか
に下っていくと杉林に入って行きます。
林の入り口あたりはやや明るく、林床には草や低木がまばらに生えています。
そこに小さな橙赤色のユリが咲いていて、茎の中段には車状に葉が展開しています。
花や葉の特徴からクルマユリと思われますが、この花は高山植物に分類されていて、亜高山
から高山帯に生えている植物です。それが標高30mほどの丘陵地に咲くのでしょうか ?
二枚とも2018.7.21撮影
丘陵地~低山に咲くクルマユリを観察したのは今度が初めてではなく、一関市室根町津谷川地区
の杉林や、涌谷町の箟岳山麓の杉林など何箇所かで見ています。標高は20~300m程度。
日本海側の佐渡島や能登半島には、低山に咲くクルマユリがあって「サドクルマユリ」と呼ばれ
ています。白山自然保護センターや金沢大学の調査によれば、サドクルマユリと高山型のクルマ
ユリには、輪生葉の位置や種子の長さなどに違いがあるとのことです。
歌津地区のクルマユリがサドクルマユリに近いのか、或いは固有の要素を持っているのか、専門
家の調査を待たなければならないでしょう。
2018.7.21撮影
ユリ科ユリ属の多年草で、北海道~四国に分布する。草丈は30~100cm。
亜高山~高山帯の草原に自生するが、低山の林縁などに自生する亜種もあるようだ。
鱗茎は直径2~2.5cmの球形。鱗茎の中央から茎を出し、茎の中ほどで1~3段に5~10個の
葉を輪生する。葉は披針形~狭卵形で無柄、長さ5~15cm、先端は鋭く尖る。
茎上部の葉は小さく、3~4個が互生する。葉腋にむかごはできない。
花期は7~8月、 花は橙赤色で直径4~8cmと小さめ、茎頂に1~6個が斜め下向きに付く。
花柄は長さ4~8cm。花被片は6個で長さ3~4cm、強くそり返る。つやがあり内側に濃紅色
の斑点がある。雄しべは長く、丁字形に葯をぶら下げて花外に突き出る。花粉は赤褐色。
雌しべは1個で雄しべと同長。
果実は蒴果で上向きに付く。3稜のある倒卵形で長さ1.5~2cm。
種子は卵形で周りに翼がある。
遠望すれば平坦な台地に見えることから、数十万年前(更新世)の海進期には海蝕棚だった
ものと推測され、それが土地の隆起や海退から陸地化したのでしょう。
土地利用としては畑地や草地(耕作放棄地)、大小の林がパッチワーク状に配されています。
集落道から細い農道に入り、しばらく行くと海岸へ下る荒れた林道があり、これをゆるやか
に下っていくと杉林に入って行きます。
林の入り口あたりはやや明るく、林床には草や低木がまばらに生えています。
そこに小さな橙赤色のユリが咲いていて、茎の中段には車状に葉が展開しています。
花や葉の特徴からクルマユリと思われますが、この花は高山植物に分類されていて、亜高山
から高山帯に生えている植物です。それが標高30mほどの丘陵地に咲くのでしょうか ?
二枚とも2018.7.21撮影
丘陵地~低山に咲くクルマユリを観察したのは今度が初めてではなく、一関市室根町津谷川地区
の杉林や、涌谷町の箟岳山麓の杉林など何箇所かで見ています。標高は20~300m程度。
日本海側の佐渡島や能登半島には、低山に咲くクルマユリがあって「サドクルマユリ」と呼ばれ
ています。白山自然保護センターや金沢大学の調査によれば、サドクルマユリと高山型のクルマ
ユリには、輪生葉の位置や種子の長さなどに違いがあるとのことです。
歌津地区のクルマユリがサドクルマユリに近いのか、或いは固有の要素を持っているのか、専門
家の調査を待たなければならないでしょう。
2018.7.21撮影
ユリ科ユリ属の多年草で、北海道~四国に分布する。草丈は30~100cm。
亜高山~高山帯の草原に自生するが、低山の林縁などに自生する亜種もあるようだ。
鱗茎は直径2~2.5cmの球形。鱗茎の中央から茎を出し、茎の中ほどで1~3段に5~10個の
葉を輪生する。葉は披針形~狭卵形で無柄、長さ5~15cm、先端は鋭く尖る。
茎上部の葉は小さく、3~4個が互生する。葉腋にむかごはできない。
花期は7~8月、 花は橙赤色で直径4~8cmと小さめ、茎頂に1~6個が斜め下向きに付く。
花柄は長さ4~8cm。花被片は6個で長さ3~4cm、強くそり返る。つやがあり内側に濃紅色
の斑点がある。雄しべは長く、丁字形に葯をぶら下げて花外に突き出る。花粉は赤褐色。
雌しべは1個で雄しべと同長。
果実は蒴果で上向きに付く。3稜のある倒卵形で長さ1.5~2cm。
種子は卵形で周りに翼がある。
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