里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

キツネノカミソリ 叢生する葉

2017-04-03 | 日記
東松島市上下堤地区の、沢沿いの農道を上がって行くと、山裾の刈払いした斜面に
キツネノカミソリの葉が叢生していました。
キツネノカミソリのライフサイクルはヒガンバナに似ていて、早春からスイセンに似た葉を
展開し、夏草が茂る頃には葉は枯れてしまいます。
宮城県内では、8月初め頃に花茎を伸ばして、朱色の花を咲かせます。
全く葉がないのに、たくさんの花が咲き揃っているのは、ちょっと異様な光景です。


                                2017.3.31撮影


      〈 ヤサシイエンゲイ キツネノカミソリより 〉

キツネノカミソリとはおもしろい名前ですが、これは細長い葉っぱをカミソリに見立てて
付けられたと言われています。なぜキツネと付くのか、前述したように葉がない状態で
いきなり花茎を伸ばして花が咲くので、キツネに化かされたように感じられるからでしょう。

ヒガンバナ同様に鱗茎には強い毒性があり、誤って食べると、下痢、嘔吐、腹痛、痙攣や
神経麻痺を惹き起します。ところが昔は、地方によってはヒガンバナと同様に救荒植物と
して利用していたようです。鱗茎にはデンプンを含むため、すりおろして、灰汁に何度も
晒して毒を抜き、デンプンを取り出して、モチなどにして食べたようです。


                                2017.3.31撮影

ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草で、本州~九州に分布する。
半日陰になる北向きの林縁や、沢沿いや窪地の林床などに自生し、しばしば大きな群落を
形成する。地下にヒガンバナとよく似た直径3~4cmの鱗茎がある。
葉は細長い帯状で長さ30~40㎝、幅は1cmほど、地際からたくさんの葉を茂らせる。
春出た葉は夏には枯れ、その後に花茎が出て花が咲く。
開期は8月~9月で、茎頂にロート形の花を3~5個付ける。花被片は6個で、長さ3~4cm、
橙色~黄赤色で反り返らない。雄しべ6個、花被とほぼ同長。雌しべ1個。
蒴果は直径1.5cmほどの扁球形。種子は黒色で扁平、直径5~7mm円形。


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