一関市花泉町、丘陵上の集落道をゆるやかに上がって行くと、左手の畑の中に赤いケイト
ウの花が咲いています。畑の仕切りにしているようで、数十株が植えられています。
直ぐ近くの畑に、持ち主と思しきオバチャンが仕事をしているので、お願いして写真を撮
らせてもらいました。ケイトウの花が、列をなして咲いているのは珍しいですからね。
二枚とも2023.9.8撮影
ケイトウには花序の形に幾つかのタイプがあり、大別するとトサカケイトウ、久留米ケイ
トウ、ウモウケイトウ、ヤリゲイトウの4タイプがあるようです。
私の写真のケイトウはトサカケイトウ(鶏冠ケイトウ)でしょう。このタイプの原産地は南
アジア~東南アジアで、我国へは中国経由で奈良時代に渡来したようです。
トサカケイトウの花の形はグロテスクとも形容されますが、これは茎の先端(花軸)の成長
点細胞が横に向きを変えて増え、平ゴムを立てたような形になったものです。
これを花序の帯化と呼ぶようです。その側面には小さな花が無数に付いていますが、これ
らには花弁がありません。ただ小花1つ1つに雄しべ6本、雌しべ1本がありますから、
花序全体としてはたくさんの種子ができます。
二枚とも2023.9.8撮影
ヒユ科ケイトウ属の一年草で、南アジア~東南アジア原産の帰化植物。草丈は60~90cm。
茎は赤色を帯びることが多く、直立して、よく分枝する。
葉は互生し、葉身は卵形~卵状披針形で長さ5~10cm、先端は長く尖り基部はくさび形。
全縁で主脈には赤みがある。
花期は7~10月、茎頂に花序を作るが、その形は品種によって大きく異なる。
花序は赤色が多いが、黄色~橙色などもある。花弁は無く、雄しべ5本、子房には1本の
長い花柱がある。果実は胞果で、中に数個の種子が入る。
種子は長さ1.3mmほどで、光沢のある黒色。
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