栗原市金成地区、県道を走行していると、休耕田の奥の方に赤紫色の花が群れ咲いている
のが見えます。よく見られるムラサキツメクサとは、花の付き方が違うような ?
時季からしてレンゲソウの可能性もあるので、脇道に車を入れてから戻って確認しました。
雑草を踏みしだいて休耕田の奥の方まで行くと、赤紫色の花はやはりレンゲソウで、既に
萎れたり傷んだりした花が多いので、花の盛りは過ぎてしまったようです。
花が群れ咲いてはいますが、あちこちと島状に咲いていますから、農家が緑肥用に播種し
て生えたものではなく、こぼれ種から生えた株に咲いたもののように見えます。
二枚とも2023.5.18撮影
レンゲソウの標準和名はゲンゲで、中国原産の帰化植物です。我国へは室町時代に渡来し、
明治になってから水田の緑肥として急速に広まったようです。
稲刈り後の田んぼにレンゲソウの種を蒔くと、冬から春にかけて生長します。レンゲソウ
は根に根粒菌を共生させていて窒素の固定能力があり、植物体にはタンパク質を豊富に含
んでいて、それを水田にすき込むと優れた緑肥になるわけです。
化学肥料の普及等で昭和50年頃からは少なくなっていましたが、有機農業が注目されたり、
化学肥料の値上がりなどもあって、近年はまた注目されるようになってきました。
二枚とも2023.5.18撮影
マメ科ゲンゲ属の二年草で、中国原産の帰化植物。高さ10~25cm。
根に根粒菌を共生させていることから、窒素の固定能力がある。野に逸出すると休耕田や
用水路端、湿り気のある道端などに生える。
茎は基部で分岐して横に広がり、地に接すると節から根を出す。上部は斜上して長さ50cm
ほどになる。茎には伏した毛がある。
葉は奇数羽状複葉で、小葉が3~5対つく。葉柄の基部には卵形で有毛の托葉があり、互
生する。小葉は倒卵形~倒心形で長さ5~17mm。
花期は4~6月、葉腋より長柄を出し、先端に7〜10個の花が輪状につく。花は紅紫色の
蝶形花で長さ1cmほど、旗弁はほかの2弁より著しく長い。
果実は豆果で長さ12~20mm、先端は鋭く尖る。熟すと莢は黒色になる。
種子は扁平で長さ3mmほど、黄褐色で光沢がある。
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