里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ワカメ 引き潮の磯浜

2019-06-10 | 日記
石巻市雄勝町の半島部、磯浜の崖下を踏査した後、波打ち際を歩いて見ました。
このあたりの海岸は岩礁帯になっていて、あちこちに巨岩が頭を出していたり、その間を埋め
るかのように大石が重なり合っています。今はちょうど引き潮なので、波打ち際の岩が半分以
上海面から現れていて、そこに着生した海藻が揺らいでいるのが見えます。
歩み寄って確認すると、おなじみの海藻「ワカメ」のようです。




                              二枚とも2019.6.3撮影

一般によく流通しているのが「塩蔵わかめ」です。これは収穫したワカメを海水でボイルした
後に塩漬けにしたもので、緑色をしています。ただ、ワカメは渇藻類に分類される海藻です
から、岩に着生しているときの本来の色は緑褐色なのです。
近年は秋から冬にかけて、大時化に襲われたり、暖冬だったりで養殖ワカメの収量は芳しくな
いと聞きますが、この磯浜の天然ワカメの茂り具合を見ると、大そうな豊作に見えます。

ワカメは低カロリーなのに栄養成分、機能性成分が豊富で、毎日摂りたい食材のひとつです。
ワカメに含まれる食物繊維(乾燥重量の約40%)には、水溶性のアルギン酸や フコイダン
があります。アルギン酸には、整腸作用やコレステロール低下作用のあることが知られていて、
その確かな効果から、これを添加した特定保健用食品も販売されています。
フコイダンは、がん細胞の増殖を抑制する作用などが知られています。フコイダンと植物性
乳酸菌の併用により、免疫調節作用が単独の時より増強され、アレルギー症状の改善が期待
できることが判ってきました。
(キッコーマン 食べ物が持つ健康パワー ワカメより要約)


                                  2019.6.3撮影

チガイソ科ワカメ属の1年生の海藻。体色は黄褐色~緑褐色で、長さは50~200cm。
北海道南部~九州に分布し、潮下帯の岩等に着生し、初冬~春にかけて成長、夏には枯死する。
体は団塊状の付着器と、直立する短い茎に繋がる幅30~50cmの羽状で長い葉からなる。
葉は平たく中央に中肋があり、左右に切れ込みが入り羽状に広がる。
成長したものは茎部に肉厚な左右対になったひだ状の部分(メカブ)が生じるが、これは生殖
細胞が集まった胞子葉で、ここで胞子を作る。
縄文遺跡からワカメの遺存体が発見されていて、太古より食べられていた。
現在では塩蔵ワカメ、乾燥ワカメ、灰干しワカメ、メカブなどとして流通していて、その90%
は養殖ワカメといわれている。主な産地は岩手県、宮城県、島根県。


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