里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

チョウジタデ 湿地状の放棄田

2019-09-12 | 日記
一関市花泉町永井地区南東部、丘陵上の車道から荒れた農道を下って行くと、たくさんの棚田
が続くものの、その多くが耕作放棄されています。棚田法面は傾斜のある草地になっていて、
あちこちにワレモコウやノアズキの花が咲いています。湿地状の耕作放棄田にはイボクサが群
生している場所もあり、植物観察にはよい季節ですね。

荒れた農道をさらに下ると、湿地状の放棄田に丈のある植物が群生していて、小枝の先の方に
黄色い小さな花が咲いています。放棄田に入って観察すると、植物図鑑で見たチョウジタデに
よく似ています。帰宅後に図鑑と照合して確認しましょう。




                              二枚とも2019.9.8撮影

チョウジタデは湿地や水田などに生える1年草で、特に耕作放棄田で目立つようです。
花は黄色い4~5弁で、直径が5mmほど。葉は細長くタデの葉のようです。
茎は4稜で赤味を帯び、秋には茎も葉も紅葉するとあります。
相違点はなく、チョウジタデで間違いないでしょう。

葉がタデに似ていて、花後の実がスパイスに使われるチョウジ(グローブ)の実に似ているので
チョウジタデと名付けられたようです。




                              二枚とも2019.9.8撮影

アカバナ科チョウジタデ属の1年草で、北海道~九州に分布する。草丈は30〜100cm。
水田や耕作放棄田、溜池や湿地などに自生する。
全体にほぼ無毛。茎は強靭で4稜があって、よく分枝して紅色を帯びることが多い。
葉は互生し、葉身は披針形~長楕円状披針形で長さ3~10cm、全縁で短い柄がある。
葉の基部は狭楔形、先端は尖鋭頭、側脈は8~13対。
花期は8~10月、花は葉腋につき、花柄はないが、子房は花柄状で、花後長さ2cmほどの蒴果
となる。子房の基部には2個の小苞がある。萼裂片は4個で長さ2~3mm。
花弁は黄色で4個、ふつう萼裂片と同長か短い。雄しべは4個、ときに萼裂片、花弁、雄蕊と
もに5個づつ付くこともある。
果実は蒴果で、長さ2~3cmの線状円柱形。赤紫色でやや不明瞭な4稜がある。
種子は海綿状の内果皮に包まれ、紡錘形で長さ1mmほど。


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