栗原市金成普賢堂地区、丘陵地の狭間の細い農道を上がって行くと、斜面下には草むらが
続いています。路肩には細い溝が掘られていて側溝のようになっているので、湿地を好
む植物が茂っていて、そこに長提灯のような形の穂を付けた植物が群生しています。
子供の頃、コンクリート化されていない水路沿いにこの植物が茂っていましたね。
その穂を採っては指でしごき、種をバラバラにして遊んだ記憶があるものの、何という名前
だったかまでは思い出せません。
二枚とも2020.5.24撮影
これはたぶんカヤツリグサ科スゲ属の植物でしょう。
ネット検索すると「西宮の湿生・水生植物 カヤツリグサ科スゲ属」という記事があって、
これに属する植物の穂の写真が種々載せられています。その写真を見ると「ゴウソ」とい
う植物の穂が、私の写真のものとよく似ています。
「ゴウソ」で改めてネット検索し、それらの説明文を読むと、穂は側小穂と呼ぶようです。
「側小穂は雌性で円柱形、直径5~7mmで長さ15〜35mm、長い柄があって下垂する」と
あるので、これで間違いないでしょう。
ゴウソを漢字表記すると「郷麻」で、名の由来は「田舎の麻」にあるようです。
かつてはこの植物の葉を乾燥させ、籠を編んだり、結束紐として使用したりしたようです。
二枚とも2020.5.24撮影
カヤツリグサ科スゲ属の多年草で、北海道〜九州に分布する。 草丈は30~70cm。
湿地や池沼の周辺、水田の畦や水路沿いなどに自生し、しばしば群生する。
短い匍匐枝を出して、叢生する。
茎は鋭い3稜形で上部はざらつく。葉は線形で幅3~6mm、裏面は粉白を帯びる。
頂小穂は雄性で長さ2~4cmの線形、柄は長さ0.5~1.5cm。雄鱗片は長さ4~4.5mmで、
半透明または褐色を帯び、鋭頭または短い芒がある。
側小穂は雌性、円柱形で長さ3~5cm、直径5〜7mm、柄があって垂れ下がる。
雌鱗片は卵状楕円形で長さ3~4mm、中肋はわずかに隆起し、帯褐色~帯栗色で光沢が
あり、短い芒がある。果胞は偏平で長さ3.5〜5mm、乳頭状突起を密布し灰緑色または灰
褐色、やや無脈、嘴は短く口部は全縁。
果実は円形で、断面はレンズ状、径2〜3mm。柱頭は2岐。
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