南三陸町戸倉地区東部、丘陵地の集落道をゆるやかに上がって行くと、道路脇に荒れた畑
があって何かの越冬葉が生えています。何となくユリの仲間のような印象で・・いつか見
たニンニクの葉に似ているような ?
葉を千切って嗅いでみると、ニンニクの臭いがします。ニンニクの越冬葉ですね。
丘陵地の中段にある畑ですから、長手方向には40mほどあるものの、幅は狭く5~6mし
かありません。畑全体を見渡すと中央付近だけが耕されていて、大半は枯草に覆われてい
ます。たぶん、自宅で食べる野菜を少しだけ栽培すべく、減歩したのでしょう。
ニンニクはそんな畑の枯草の中や、外周の法面に生えていたので、収穫残りが逞しく生き
繋いでいるように見えます。
二枚とも2021.1.22撮影
ニンニクの原産地は、中央アジアのキルギス地方と言われていて、我国へは中国経由で奈
良時代頃には渡来していたとされます。その頃は食用というよりも、滋養強壮効果のある
薬草として諸病の治療に用いられていたようです。
地下にできる大きな鱗茎を主に香辛料として利用するほか、若い葉や花茎も野菜として利
用されます。食用として広く用いられるようになったのは戦後で、油脂によくなじみ肉類
のうまみを引き立てるので、スープ、いため物、煮込み、各種肉料理に多用されています。
国内の主産地は青森県で凡そ70%を占め、次いで香川県が多いとのこと。
栽培品種としては東北の寒地種と関東以西の暖地種があり、寒地種には青森の福地ホワイ
トや千葉の千葉大球があり、暖地種では収量の多い香川の上海早生が知られています。
2021.1.22撮影
ヒガンバナ科ネギ属の多年草で、推定される原産地は中央アジア。草丈は50~70cm。
鱗茎は直径5~6cmの球状に肥大し、白~紅色の薄膜に包まれ、内部は数個の小鱗茎に分
かれる。葉は扁平な広線形で先端は尖る。葉の色は灰白色を帯びた緑色で、4~6枚が順
に互生し、基部が鞘状に重なり合って茎のようになる。葉は夏に枯れて鱗茎も休眠する。
しばしば葉腋にムカゴをつける。
花期は5~6月、花茎は葉の間から伸び、茎頂に直径5~6cmの散形花序を出し、白~淡
紫色の花を多数付ける。花被片は6枚。
花はふつう不稔だが、花のかわりにムカゴをつけることもある。
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