里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

カンガレイ 耕作放棄田

2020-07-25 | 日記

一関市花泉町日形地区北部、丘陵上から小沢に沿った荒れた農道を下って行くと、道下に
数枚の耕作放棄田が続いていて、そこに中型で濃緑色の植物が茂っています。
その放棄田へ踏み込むと、ジュクジュクと水が浸み出してきます。
スゲやミゾソバを踏みしだいてそこまで入って行くと、茎(稈)が3稜形ですからサンカクイ
でしょうか ?  ただ、よく似た仲間のこともあるので、植物図鑑と照合してみましょう。

                              二枚とも2020.7.16撮影

植物図鑑で見ると、草姿はサンカクイそのものですが、念のため同じ仲間の幾つかと見比
べてみましょう。近似種にはシズイ、カンガレイ、ホタルイなどがあり、先ずは写真で草
姿や花の形を見比べてみました。シズイやホタルイは茎がもっと細いようですから、別物
でしょう。カンガレイはサンカクイによく似ていて、両者の違いが判りませんでしたが、
説明文を読んで、ようやく違いが判りました。

サンカクイの花序には10個前後の小穂が付いていますが、そのうちの何個かには柄が付い
ていることが多く、茎から離れています。ところがカンガレイの小穂には全く柄が無く、
直接茎に接しています。
私の写真の植物の小穂には全く柄がないことから、「カンガレイ」ということになります。

                              二枚とも2020.7.16撮影

カヤツリグサ科フトイ属の多年草で、北海道〜九州に分布し、草丈は50〜120cm。
日当たりのよい湿地や溜池、河川敷などに自生し、ごく浅い水中に生えることが多い。
根茎は短くかたまり、茎(稈)は叢生して群落をつくる傾向がある。
茎は直立~斜上し、横断面は鋭3稜形、稜には微小な下向きの突起があり、ややざらつく。
一辺の幅は5~10mm。辺面は平滑で濃緑色。
花期は7〜10月、花序は茎に側生し、無柄の小穂が放射状に4〜20個集まって頭状をなす。
苞葉の葉身は稈に続き、長さ3〜10cmで、やや斜上する。小穂は長卵形で長さ1~2cm、
鋭頭で淡緑色。鱗片は卵形で長さ4~5mm、密に圧着する。
葯は線形で長さ2.5mmほど。雌しべの柱頭は3岐する。
痩果は広倒卵形で長さ2~2.5mm、ほとんど平滑で横断面は扁3稜形。
刺針状花被片は5~6個つき、長さは痩果の1.5~2倍、下向きの小刺がある。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿